文字サイズ

第303回 上村愛子さん

第303回 上村愛子さん

メイン写真

住 吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、元フリースタイルスキー・モーグル日本代表の上村愛子さんです。リモートでお話を伺います。よろしくお願いします。
上 村
よろしくお願いします。
住 吉
上村愛子さんは、冬季オリンピック5大会連続出場のオリンピアンでいらっしゃいます。競技から離れた後も、スキーやアウトドアスポーツに取り組んでいらして、冬のこの時期は、長野県白馬村に頻繁に通っていらっしゃるということですが、今日も白馬から?
上 村
はい、今日もちょうど白馬にいて、雪の上に立っていました。
住 吉
今朝ももう、ひと滑りしてきたと伺いました。
上 村
そうです(笑)。
住 吉
気持ちいいでしょうね。
今年の白馬は、雪はどうですか? 年末は雪が多くて大変だったという地域もありましたが…。
上 村
そうですね。年末、日本海側はすごく大変なニュースが多かったと思います。私が冬の間滞在している白馬というところは、基本すごく雪が多いところなんですけれど、年末年始の降雪は少なかったですね。2月になると、いつも通りの降雪になると思うんですけど、雪の量としては、今はまだ少なめだなという印象ですね。
住 吉
ヨーロッパでは、記録的な暖冬による雪不足で、スキー場がピンチだということもニュースで見ますが…。
上 村
私が競技をやっていた頃は、もう8~9年前になるんですけど、雪不足で大会がなくなるということはあまりなかったです。おそらくこの数年で、ヨーロッパの海から遠い場所、水蒸気が上がりにくい場所は雪が少なくなっている、ということは聞いていて。ワールドカップだったり、伝統的なレースが雪不足で開催できなくなるということも、最近はよく聞くようになりました。ワールドカップなど、たくさんの方が競技の開催に関わっていて、人工降雪機でコースを作ったりと、皆さん努力しながら開催してくださっているんですけど、雪を降らせるということ自体、そもそもすごく大変なことで。水もたくさん使うし、電気も使うし、温暖化と言われているところで、無理やり雪を作るのはどうなのかな、というところもあったりとか…。雪を作るとものすごくお金もかかるので、スキー場の経営もすごく大変というのもあって。なので、ヨーロッパのほうでは、降雪機を使わないと雪が作れないスキー場は、どんどん閉鎖されているというのは聞きます。
住 吉
そんな中、夫でプロスキーヤーの皆川賢太郎さんが立ち上げた「SAVE THE SNOW PROJECTS」。その第1弾として発表されたのが、絵本『ゆきゆきだいすき』なのですが、この絵本の絵を上村さんが描かれたそうですね。
上 村
はい。
住 吉
今、手元にあるのですが、すごくかわいい、横長の絵本で、帯には「ゆきのふる ちきゅうのために わたしたちが できることってなんだろう?」と書かれてあります。小さな女の子と、相棒のわんちゃんが主人公なのかな。その絵が、スキー姿でよく見ていた、上村さんのような女の子で、「やっぱり上村さんが描いた絵だ!」と思いました。 元々、趣味で絵を描いたりしていたのですか?
上 村
そんなに絵が得意だということではないんですけれど、昔、パソコンや携帯電話が今ほど発展していなかった頃、お手紙を書いて家族とやりとりしていたときに、自分の似顔絵を描いたり、相手の似顔絵を描いたりするのがすごく好きではあったんです。それで、ちょっと絵心があるということを主人が知っていて、「自分たちのところで絵本を出すことにしたんだけれど、雪の絵本だから、雪の表現だったり、雪で楽しそうにしている子を描くとなると、雪を知っている人がいいと思って。もし良かったら、描いてみないか?」ということで…。「無理じゃない?」と最初に言ったんですけど(笑)。「描けるかな…」と言いながら、みんなで等身を決めたり、帽子のかぶり方とか、そういうことを相談しながら、「あいこちゃん」と言うんですけど、主人公のキャラクターができあがって。その子が決まってからは、スキーをしている姿勢とか、体の使い方は頭の中でイメージがつきやすいのか、絵で描いていても意外と描きやすくて。だから、描いてみて、「あっ、何とかなるかもしれない…!」と(笑)。
住 吉
おもしろいですね。たしかに、すごく子供らしくてかわいいあいこちゃんなのですが、スキーをしているときのフォームがきれいかもしれない!
上 村
そうなんです。
住 吉
あいこちゃんと一緒に学んでいく、“雪”のお話?
上 村
そうですね。今までは、クリスマスにはずっと雪が降っていたけど、今年は遅いな…というところからストーリーが始まって。あいこちゃんがどれだけ雪を楽しみにしているかということを、遊んでいる姿などを描きながら、読んでいる皆さんにも「雪でこんなに笑顔になれるんだ」「雪を楽しみにしてみたいな」という気持ちになってもらえたらいいなと。そして、雪を楽しみにしているのは、あいこちゃんだけではなくて。他の動物など、「雪がないと困るのは、自分たちだけではない」ということを伝える内容になっています。