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第309回 浦井健治さん

第309回 浦井健治さん

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住 吉
住吉美紀がお届けしています、TOKYO FM「Blue Ocean」。今日の「Blue Ocean Professional supported by 協会けんぽ 健康サポート」のゲストは、ミュージカル俳優の浦井健治さんです。よろしくお願いします。
浦 井
よろしくお願いします。
住 吉
浦井さんは、特撮ドラマで俳優デビューされ、今、ミュージカル俳優として大人気でいらっしゃいます。これまでに、『エリザベート』『マイ・フェア・レディ』『デスノート THE MUSICAL』『笑う男 The Eternal Love -永遠の愛-』『キングアーサー』など、数々のミュージカルに出演されてきました。
ミュージカルに出演される前から、ミュージカルに興味があったり、志していたのですか?
浦 井
いや、あまり観たことがなくて…。『アニー』というミュージカルを、両親に連れて行ってもらって観たことがある程度でした。『美少女戦士セーラームーン』のタキシード仮面で初舞台を踏ませていただいたんですが、その後、『エリザベート』という作品でルドルフ皇太子役を演じることになってから、『レ・ミゼラブル』を初めて観たんです。
住 吉
大人になって、本格的なミュージカルを観て心を動かされたのが『レ・ミゼラブル』だったのですね。
浦 井
そうなんです。しかも、『エリザベート』で共演するトート閣下役のお二人が出ているということで、そのお二人の回を観に行った、というのが初めてだったんです。
住 吉
なるほど。そのご縁をいただいて、観に行って。
浦 井
それで席から立ち上がれなくなるぐらい感動しました。「こんな世界があるのか!」と。
住 吉
そうですか!何に一番感動したかというのは覚えていますか?
浦 井
オーケストラの方も含めて、全員で一つの音を奏でていって、ストーリーが歌で展開していく、というのが初めてだったんです。全て歌の中で起承転結があるんだということに驚いて。
住 吉
その前にも『エリザベート』に出ていたのですよね?
浦 井
出る前ですね。お稽古が始まったぐらいでした。
住 吉
なるほど、ちょうど本格的なミュージカルに出る直前のタイミングで観られたのですね。では翌日から、断然、お稽古に向かう気持ちも…。
浦 井
断然、大緊張になってしまって…。1日のうち8時間ずっとボイトレ、みたいな…。
住 吉
むしろ、わくわくよりも緊張に変わったのですね。
浦 井
そうなんです。バンドのボーカルはやっていたんですけど、こういったミュージカルの発声は初めてだったので、色々な先生に手取り足取り教えていただいて…というのが始まりでしたね。
住 吉
実際、『エリザベート』の本番、ご自身はどうだったのですか?
浦 井
もう大緊張だったんですけど、諸先輩方に支えられながらカーテンコールを迎えて。無我夢中だったんですけど、カーテンコールの袖中で、ある先輩から「やったな。これは事件だぞ。おめでとう。お前は誕生したんだぞ」ということを言われて。
住 吉
その日の公演がすごくよかったと。
浦 井
そういうことだと思います。
住 吉
緊張だけではなくて、面白さややりがいなど、出演する側としてのミュージカルの魅力も実感されたのですか?
浦 井
ミュージカルは奥深いですね。“総合芸術”と言われていることもあって、ダンスも殺陣も色々ありますけど、歌一つとっても、お芝居寄りなのか歌で攻めるのかとか色々な手法があるし、それぞれのキャラクターが粒立っていくと、より多角的に化学反応が起きるんですよ。めちゃくちゃかっこいいなと思って。
住 吉
おもしろいですね。
浦 井
おもしろいなと思いました。
住 吉
そんな浦井さんが、3月15日にニューアルバム『VARIOUS』をリリースされます。全12曲のうち、6曲がミュージカルナンバーや映画音楽で、『エリザベート』『レ・ミゼラブル』『ヘアスプレー』などからのおなじみのナンバーです。残りの6曲は、このアルバムのための新曲やJ-POPのカバーとなっていて、ミュージカルで以前共演された、SOPHIAの松岡充さんが作詞・作曲を担当された『バナナココナッツセット』という曲も入っています。
実は、リスナーから質問が来ていまして…。

「新しいアルバムの試聴をしました。2つの曲が、テイストも歌声も全く違っていて、フルで聴くのが待ち遠しいんですが、レコーディングで苦労したことや楽しかったことなどを伺いたいです」
住 吉
どうですか?
浦 井
SOPHIAというバンドがずっと大好きで、コピーバンドもしていたぐらいで、松岡さんの言葉のチョイスとか世界観とか、全てが自分の人生に影響を与えてくれたんですよ。その方が、今回オリジナル曲を作ってくださって、面接までしてくれて、全て理解した上で「浦井くんにこれを作る」と言って作ってくださいました。スタジオでも、一対一で、付きっきりで全て仕上げてくれて。そんな夢叶うんだなと思って、正直本当にびっくりしました。デモの音源も松岡さんの声で、そのままかっこいいし、自分にとっては「夢って叶うんだな」という、一つの大きな出来事になりましたね。