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健康企業宣言®認定取得事業所レポート 第8回 真韻 株式会社様

健康企業宣言®認定取得事業所レポート 第8回 真韻 株式会社様


真韻株式会社が所在する板橋区立ものづくり研究開発連携センターの前で
(左から藤井さん、海老根さん、亀山さん)

苦渋したストレスチェック項目。第三者のアドバイスを取り入れてよりよい方向へ

「銀の認定」と「金の認定」では、取得の難易度が格段に違っていますが、大変だったのではありませんか?

亀山

そうですね、2つ大きな課題がありました。まず、分単位の勤務体系を実施するために就業規則の見直しと勤怠管理システムの導入が必要になりました。もう1点は、ストレスチェックを実施するための仕組み作りです。

弊社のような50人未満の企業においては、ストレスチェックの実施は法的義務ではなく努力義務となりますが、実施するからには法令を遵守する必要があります。ストレスチェックは経営者や人事権がある者は実施者として容認されず、医師や保健師などでなければならないとのことでした。

 

念のため、地域産業保健センターに確認しましたが、そちらではストレスチェックの実施者を提供することはできないとのことで、どのような対応をするべきか調査しました。多くの企業では、ストレスチェックの実施者になってもらう契約を産業医や保健師と結ぶか、そういった業者と契約を結ぶかとのことでしたが、どちらもそれなりの費用がかかり弊社の仕組みとは合わず、難航しました。

いろいろと考えた結果、ストレスチェックとして規定化するのではなく、ストレスチェックに準ずる形でのセルフチェックという位置づけで実施することとしました。

具体的には、厚労省ホームページ「こころの耳」のセルフチェックを行い、その結果、高ストレスと判定された場合には地域産業保健センターの産業医の面談を受けられるという案内文を書面に残す、といったこととしました。

なるほど。苦渋されながらも、ストレスチェックの項目をクリアされたのですね。

藤井

毎週テーマを決めて、「いつまでにここまでやる」とスケジュールを立てて、それに則ってチェック項目を1つひとつ消していく……といった作業でした。

税理士 藤井克則さん
税理士 藤井克則さん
亀山

「金の認定」を取るのは、うちが頑張っただけでは成し得なかったと思います。行政であったり、商工会議所や産業保健センターなど、いろいろな方々のお力添えのおかげです。第三者のアドバイスを取り入れることによって、現状の立ち位置を把握でき、振り返ったり見通しを立てたり、よりよい方向に進めることができました。

新型コロナウイルスの流行前後に、働き方や健康経営の面で変化はありましたか?

亀山

感染症対策は、ビジネスと健康経営とは関係ないと思っていましたが、リンクしているといった見方に変わりました。 具体的には、BCP(事業継続計画)を見直し、IoT(モノをインターネットに接続する)技術を活用したリモート生産システムの構築や勤務時間の見直し、リモートワーク実施などの働き方改革を行いました。

また、リモートワークの増加によるコミュニケーション不足を補うワーケーションの取り組みとして、昨年は淡路島に泊まりがけの社内親交旅行を実施しました。事前に船舶免許を取得して淡路島ではカヌー体験を楽しみ、福利厚生の拡充も図りました。

女神湖(蓼科)
社内親交旅行ではカヌーを楽しんだ(写真は蓼科の女神湖)