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子宮頸がん検診-20歳を過ぎたら2年に1回、検診を

子宮頸がん検診-20歳を過ぎたら2年に1回、検診を

子宮頸がんは、子宮の入り口(頸部)にできるがんで、主な原因は性交渉によるHPV(ヒトパピローマウイルス)への感染です。性交渉の経験があれば誰でもなる可能性があるため、若い人も油断はできません。検診で初期のうちに発見して治療すれば、完治も十分に望めます。20歳を過ぎたら2年に1回、定期的に検診を受けましょう。

子宮頸がん検診の流れ

国の指針によって推奨されている子宮頸がん検診の内容は「問診、視診、子宮頸部の細胞診および内診」で、対象者と受診間隔は「20歳以上、2年に1回」です。

●問診
年齢、子宮頸がん検診の受診歴、月経について(月経周期、月経の持続日数、最終月経日、月経血の量、生理痛の有無など)、妊娠・出産歴、不正出血の有無、子宮に関する病歴、などの質問に答えます。

月経の記録や基礎体温表をつけている場合は、持参しましょう。

●視診、子宮頸部の細胞診、内診
まず、内診台で医師が腟内に腟鏡を挿入し、腟の内部や子宮頸部の状態を観察します。また、おりものの状態や炎症がないかなどを目で確認します(視診)。腟内に片手指を挿入し、もう片方の手でおなかの外から押して、子宮の大きさや形、腫れがないかどうかなどもチェックします(内診)。

次に、専用のブラシやヘラなどで子宮頸部の表面を優しくこすり、細胞を採取します(細胞診)。ほとんど痛みはなく、数分で終了します。検査後、少し出血する場合があるので、生理用ナプキンかおりものシートを用意しておくと安心です。検査の結果は後日、郵送等で連絡されます。

なお、月経中は正しい検査をすることが難しいので、検診の予約をする際は、月経と重ならないように注意してください。

要精密検査といわれたら…

細胞診検査の結果、「要精密検査」と判定されたとしても、必ずしもがんであるとは限りません。確実にがんがないことを確認するためにも、精密検査が必要と言われたら、不安がらずに必ず受けるようにしましょう。

精密検査では、コルポスコープ診という検査が行われます。これは、「コルポスコープ」という医療機器を使い、子宮頸部を拡大して観察することで、肉眼では見つけられない病変を発見するというものです。病変部がみられた場合には、組織を採取して顕微鏡で調べる組織診が行われます。

一方、「異常なし」と判定されたとしても、その後も2年に1回、定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。

安田 聖栄 先生

監修者 安田 聖栄 先生 (医療法人社団あんしん会 四谷メディカルキューブ 理事長 兼 健診センター長
東海大学医学部客員教授)
1977年大阪大学医学部卒業、2008年東海大学医学部消化器外科教授、同付属病院副院長、2016年より四谷メディカルキューブ理事長。日本外科学会、日本消化器外科学会、指導医・専門医。著書は『最新のがん検診がわかる本』(法研)、『一般診療医のためのPET画像の見かた』(金原出版)、『エッセンシャル医療安全』(金原出版)、『がんのPET検査がわかる本』(法研)など。