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今月の+10(プラス・テン)

9月1日配信 連載6回
膝の痛みの予防には、「膝痛体操」とウオーキングが効果的

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年をとるにつれて痛みを感じやすいのが膝です。膝まわりの筋力が弱いと痛みが出やすいので、若いうちから鍛えておきたいもの。「10分多く」体を動かす「+10(プラス・テン)」に、膝周辺の筋力と柔軟性を高める運動や、ウオーキングを取り入れるのがおすすめです。

【監修】 宮地元彦 先生 国立健康・栄養研究所 健康増進研究部部長

大きな負担がかかっている膝。老化などで関節軟骨がすり減ると痛みが起こる

腰痛とともに、ロコモ(ロコモティブシンドローム:運動器症候群)を引き起こしやすいのが、「変形性膝関節症」をはじめとする膝の痛みです。

膝は、立っているときは体重のほとんどを受け止めています。さらに、歩いているときには膝には体重の約2、3倍の負荷が、階段の昇り降りや走っているときにはもっと多くの負荷がかかっています。また、立ったり座ったり、歩いたり走ったりするたびに曲げ伸ばしを繰り返しているため、膝には負担が集中しやすいのです。

膝をはさむ上下の骨と骨の間には「関節軟骨」があり、本来、骨同士の摩擦を防いだり衝撃をやわらげるクッションの役割をしています。しかし、老化や病気、膝の使いすぎなどによって関節軟骨がすり減っていくと、はがれ落ちた破片が炎症を起こして痛みを生みます。これが変形性膝関節症です。

変形性膝関節症は、50代以降、特に女性に起こりやすい病気。さらに、肥満や運動不足で筋力が弱い人、O脚の人、家族に変形性膝関節症の患者さんがいる人、膝に負担がかかる仕事や運動をしている人は、発症しやすいので要注意です。

膝の痛みの予防や悪化防止には、ウオーキングや膝周辺の筋トレとストレッチを

関節軟骨はいったんすり減るとほとんど修復されることがなく、どんどん悪化していってしまいます。膝の痛みを予防したり悪化を食い止めるためには、適切な運動を行いましょう。

激しすぎる運動は膝に負担がかかるおそれがありますが、ウオーキングのような軽い運動は、関節軟骨に適度な刺激を与え、軟骨の維持・増強が期待できます。

また、これから紹介する膝痛体操は、膝周辺の筋肉や靭帯(じんたい)を鍛えたり柔軟性を高めたりするものです。膝関節の柔軟性や関節周りの筋力を向上させることで、負担の軽減につながります。

これらの運動と、体全体の働きをよくするロコトレを一緒に行うとさらに効果的です。

なお、すでに痛みのある人の症状緩和にもおすすめですが、医師の指導に基づき、症状が落ち着いているときに無理のない範囲で行うようにしましょう。

【太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)に力をつける】
どちらかの運動を20回1セットとして、1日に2セット行いましょう。

①運動

②運動


【膝を伸ばす・曲げる】
それぞれ15~30秒間、1~3回を1セットとして、1日に1セット行いましょう。

③運動

④運動

資料:日本整形外科学会「ロコモパンフレット2014年度版」、疾患特異的・患者立脚型慢性腰痛症患者機能評価尺度(JLEQ)

9月の「+10(プラス・テン)」

●いつまでも元気で歩ける膝を維持するために、膝痛体操で膝周りの筋力と柔軟性を高めておきましょう。
●膝の痛みの予防・改善には、ウオーキングもあわせて行うと効果的です。