今月の+10(プラス・テン)
12月1日配信 連載9回
「ふりふりストレッチ」で、つらい冷えやむくみを撃退!

体の一部をリズミカルに動かすだけの運動「ふりふりストレッチ」は、冷えやむくみの解消にも効果的です。仕事や家事の合間に、10分でもいいので「ふりふり」して体の調子をととのえ、「+10(プラス・テン)」を実現しましょう。
【監修】 宮地元彦 先生 国立健康・栄養研究所 健康増進研究部部長
ふりふりストレッチは血行不良の改善に効果的
先月の記事(「肩こりや首の痛みにも効く! 『ふりふりストレッチ』」)では、ふりふりストレッチが一般的なストレッチと筋力トレーニングの「いいとこどり」であること、たくさんのメリットがあることを解説しました。肩こり、腰痛に効く「ふりふりストレッチ」を実際にやってみて、その簡単さと即効性に驚いた人は多いのではないでしょうか。
今月は、寒さが厳しくなるこの時季にぴったりの、冷えとむくみに効果的なふりふりストレッチを紹介します。
冷えて血行が悪くなることでむくみ、むくんで水分がたまるから冷える、という悪循環を断ち切るには、元凶となっている血行不良を改善する必要があります。ふりふりストレッチを行うと、血行がよくなって手足が温まるだけでなく、筋肉を動かすことで深部体温が上昇し、体の芯から温まります。
冷え・むくみを解消する「ふりふりストレッチ」
どのふりふりストレッチでも血行はよくなりますが、ここで紹介する運動は特に冷えやむくみの解消に最適なものです。
1種類わずか30秒ほどでできる簡単な動きで、ポカポカと全身が温まり、むくみによる重だるさも改善します。仕事や家事のちょっとした合間に、気分転換も兼ねて、ぜひ「ふりふり」してみてください。
ふり子のように、反動を利用してリズムカルに楽しくやりましょう。
【全身の血行をよくして冷えを改善:腕の左右ふりふり】
- ①脚を肩幅に開き、体を安定させます
- ②腕を伸ばし、みぞおちを支点にして左右に振り、その力を使って上体をねじります(腕が上体にからみつくように腕を抜くのが理想的)。
往復10回くり返します。 - ※支点を意識すると、効果がアップします。
- ※体が硬い人は、できる範囲で上体をねじればOKです。ただし、手に引っ張られて上体がぶれると力があちこちに分散し、効果が半減します。体を安定させるように注意しましょう。

【おなかを温めて冷えを改善:おなかぐるっとふりふり】
- ①脚を肩幅よりも広めに開き、腰に手を当てて立ちます。
- ②頭と足を支点にして、おなかをぐるりと回転させるように動かします。このとき、膝を突っ張らず、肩を傾けながらスピードを一定に保って行うとスムーズに回せます。
右回し、左回しを5回ずつ行います。 - ※体が硬い人は、おなかを回転させるのではなく、前→横→後ろ→横→と1箇所ずつ動かしてもOKです。
- ※頭がぐらつかないように注意しましょう。

また、手指を温めるには、手と手首の力を抜いて、ひじを支点にして手首を前後にふりふりする「大仏ふりふり」、同様に左右にふりふりする「ワイパーふりふり」がおすすめ。
足先の冷えが気になる人は、背もたれのあるいすに腰かけ、膝を伸ばして足首の力を抜き、膝を支点にして膝下を上下にふりふりする「足首ふりふり」も行いましょう。
いずれも30秒くり返します。
【脚のむくみをとる:膝の開閉ふりふり】

まず、安定したいすに浅く腰かけて、脚の付け根に手を置きます。足と、脚の付け根を支点にして膝をふりふりと開閉し、鼠径(そけい)部にあるリンパ節を刺激します。
下記の順に、脚の開き方を3段階に分けて行うことで、徐々にリンパの流れをよくでき、股関節の動きもよくなります。
- ①脚を揃え、手で脚の付け根の動きを確認しながら膝を開閉します(10往復)。
- ②脚を肩幅に開き、①よりも大きく膝を開閉します(10往復)。
- ③脚を大きく開き、②よりも大きく膝を開閉します(10往復)。
- ※いすの座面が高すぎると、リンパ節への刺激が弱まってしまいます。高すぎないものを選びましょう。
- ※膝は目一杯に開かず、8割程度の動きで十分です。
- ※股関節が硬い人は、無理のない範囲で行い、①②だけでもOKです。
さらに、ふくらはぎの筋肉を動かす「ふくらはぎ上下ふりふり」も一緒に行うと一層効果的。筋ポンプ作用が働き、膝下にたまった静脈血やリンパ液をくみ上げて、むくみがすっきり解消します。
これは、脚を軽く開いてつま先立ちした姿勢から、足踏みするように左右のかかとを交互に床につける動きを、30秒くり返すだけです。脚力に自信のない人は、体を支えられる範囲でかかとを少し上げるだけでOKです。
資料:宮地元彦先生監修『不調が消える! ふりふりストレッチ』(宝島社)
参考用 外部リンク
- ●冷えやむくみは、血行不良が元凶。血行がよくなる「ふりふりストレッチ」で、楽しく撃退しましょう。
- ●何かと忙しい年末こそ、「ふりふりストレッチ」で「+10(プラス・テン)」を心がければ、疲れがとれ、心も体も軽くなります。