30分のサイクリングでメタボ改善
関節にあまり負担をかけずに、高めの強度の有酸素運動ができることが自転車の大きなメリット。運動が苦手な人や、運動習慣がない人にもおすすめです。30分の走行を週3回以上で、シェイプアップ効果を実感!
ランニングや水泳と同じくらいの運動強度
メタボの予防・改善を進めるうえで「運動」が重要であることは、誰もが承知しているでしょう。比較的長い時間、酸素をとり入れながら続ける有酸素運動が内臓脂肪を燃焼させるのに有効とされ、その1つとしてサイクリングへの関心が少しずつ高まっているようです。
有酸素運動の代表的な種目といえばウオーキングやジョギングですが、おなか回りが気になっている人が長い時間歩いたり走ったりするには、膝への負担や根気といった多少の困難が伴います。その点サイクリングは、地面を踏む衝撃はなく、遠くへ行けることやスピード感という楽しさがあるので、運動不足ぎみの中高年には取り組みやすい種目です。
厚生労働省の「健康づくりのための運動指針2006」では、時速20㎞のサイクリングはランニングや水泳と同じくらいの運動強度に分類されています。同指針が内臓脂肪を確実に燃焼させるために必要な運動量として挙げている数値を当てはめてみると、1回30分のサイクリングなら週に2.5回かそれ以上行えば内臓脂肪の減少が期待できる計算になります。
また、サイクリングは有酸素運動であるだけでなく、全身の筋肉を大きく使う筋肉運動の要素も含んでいます。最も使うのは、ペダルをこぐときに使う太ももの筋肉。自転車レースの選手たちの鍛えられて異様に太い脚をご存じのかたもいるでしょう。乗っている姿勢を保つことで、おなかや背中、腕の筋肉も鍛えられます。
このように全身の筋肉運動であるサイクリングを週に何回も続けていけば、筋肉量が増えて基礎代謝が高まり、脂肪がつきにくい体に変わっていくことはいうまでもないでしょう。
できればママチャリより快適に走れるタイプを
ところで、一口に自転車といってもいくつかのタイプがあります。普段買い物などによく利用されているのは軽快車といい、いわゆる「ママチャリ」。また、細く大きな車輪とドロップハンドルでいかにも速そうな車体は、ロードバイク。舗装路を疾走するための自転車で、「ツールドフランス」のレースでおなじみのもの。一方、砂利道や泥道など悪路を走破できるのは、太い車輪のマウンテンバイク。これとロードバイクの良さをそれぞれ合体させて、野外でも街中でも軽快に走れるのがクロスバイク。
さて、普段買い物や通勤などでママチャリによく乗っているならメタボの改善になるのではないか、と考えるかたもいるでしょうが、答えは必ずしも「イエス」ではありません。前出の運動指針をもとに効果ありと計算したのは、時速20㎞の速さで30分走った場合のこと。ママチャリでスーパーや駅の行き帰りをのんびり走る程度では、内臓脂肪の燃焼効果はあまり期待できないでしょう。健康づくりと楽しさの一石二鳥を狙うなら、ママチャリよりもペダルの回転数が上げられ、変速ギアも多くついているクロスバイクがよいかもしれません。
そして最後に1つ重要なこと。それは、自転車に乗るときは交通法規も守らなければいけないということ。道路交通法では自転車は「軽車両」とされ、原則として自動車と同じ車道の左側を走らなければならないことをお忘れなく。