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メタボに狙われるのは中高年。若いうちは心配ない、ってホント?

メタボに狙われるのは中高年。若いうちは心配ない、ってホント?

若い人どころか子どもでもメタボに

さらに深刻なのは、子どもですらメタボの危険に陥っていることです。背景にあるのは肥満児の増加です。

肥満度が高い子どもには中性脂肪・血圧・血糖値の上昇、HDLコレステロール値の低下などが見られ、大人と同じようにメタボになっている危険性があるとして、「小児期メタボリックシンドロームの診断基準」まで作られています(「子どもの体に異変あり―小児期メタボが増加中」参照)。

小児肥満の子どもは、約7割が成人肥満に移行すると考えられています。「子どもだから問題ない」「いずれやせる」などと考えがちですが、健康診断などで肥満を指摘されたら、放置しないようにしましょう。

問題なのは運動不足。食べた物をエネルギーとして消費していない

メタボの脅威が若い世代にも広がっている要因は、現代の生活習慣にあります。

厚生労働省「平成26年国民健康・栄養調査の概要」および「主な健康指標の経年変化:栄養摂取状況調査」によれば、男性の20代で37.0%、30代で29.3%が朝食を食べておらず、運動習慣がないのは男性の20代で81.1%、30代の86.9%、喫煙率は男性の20代で36.7%、30代で44.3%など、男性若年層の健康習慣が悪いことが指摘されています。

食生活の欧米化や食べ過ぎなどが思い浮かぶかもしれませんが、食事で摂るエネルギー量は最近10年間で減っています。朝食べないで、深夜にエネルギー量や糖質の多い食事を詰め込み、眠気やストレス解消のため喫煙し、睡眠不足のまま出社する、など栄養素の中身や摂り方に問題があるのだと思われます。

20代や30代の人たちも、今のうちからまず自分のタイムマネージメントを見直し、運動習慣や食生活を整えていくことが大切です。

荒木 葉子 先生

監修者 荒木 葉子 先生 (産業医・内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長)
慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学。報知新聞社産業医、NTT東日本東京健康管理センタ所長を経て、現在荒木労働衛生コンサルタント事務所所長。内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント。企業の労働衛生と半蔵門病院で内科診療を行う。主な著書に『臨床医が知っておきたい女性の診かたのエッセンス』(医学書院)、『働く女性たちのウェルネスブック』(慶應義塾大学出版会)など。