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運動は20~30分以上続けてやらないとメタボ予防効果はない、ってホント?

運動は20~30分以上続けてやらないとメタボ予防効果はない、ってホント?

体を活発に動かすように意識する

1回5~10分程度の運動時間なら、1日のうちで見つけることは難しくなさそう。それを1日に何回か行えばよいのなら、「まとまった時間が取れない」と嘆かずに済むのではないでしょうか。

さらに、改めて「運動」というとそれまで運動経験のあまりない人は身構えてしまうかもしれませんが、「体を活発に動かす」と言い替えてみたらどうでしょう。ちょっとした運動を普段の生活に加えると、生活習慣病の発症を低下させる効果があることがわかっており、厚生労働省では「毎日、今より10分多く体を動かす」=『+10(プラス・テン)』運動を提唱しています(詳細は「今月のプラス・テン」コーナー を参照してください)。

例えば通勤の行き帰りにいつもより少し遠回りして歩いたり、ランチはあえて遠くの店に出かけていくなどすれば、10分くらいは簡単に稼げそう。そんなとき、普段より少し速いピッチでスタスタ歩いてみてください。これが体を活発に動かすことになります。同じ発想は、職場内での移動や買い物に出るときにも生かしてください。小さな努力でも積み重ねれば、メタボ予防の大きな効果を生み出すことにつながります。

森谷 敏夫 先生

監修者 森谷 敏夫 先生 (京都産業大学 共通教育推進機構教授)
1980年、南カリフォルニア大学大学院博士課程修了(スポーツ医学、Ph.D.)テキサス大学、テキサス農工大学大学院助教授、京都大学教養部助教授(准教授)、カロリンスカ医学研究所国際研究員(スウェーデン政府給付留学)、米国モンタナ大学生命科学部客員教授などを経て、1992年、京都大学大学院人間・環境学研究科助教授(准教授)、2000年から同科教授。2016年から京都大学名誉教授および現職。専門は応用生理学とスポーツ医学。国際電気生理運動学会会長、アメリカスポーツ医学会評議員、日本運動生理学会理事ほか、複数の要職兼務。主な著書は『メタボにならない脳のつくり方』『人は必ず太る しかし 必ずやせられる』ほか。