お酒を飲まない人も要注意の「脂肪肝」。肝硬変や肝がんの危険も
運動にはNAFLDの改善効果
NAFLDの改善には運動が有効であると、筑波大学の研究チームが報告しています。これは、運動強度の異なる3種類の運動でNAFLDの改善に及ぼす影響を調べたもので、強度と種類が違ってもそれぞれに改善効果がありました。さらに、日本の宇宙飛行士の運動プログラム用に開発された自転車による「高強度インターバル有酸素性トレーニング(HIAT)」では、NAFLDの炎症と酸化ストレスを抑える効果も確認されています*4。
肝臓は再生能力が高いためNAFLDになっていても気づきにくく、見つかった段階では肝硬変に進行していたということも少なくありません。ですから、高脂肪・高エネルギーな食事を摂り過ぎないように気をつけ、適度な運動も習慣化するなど生活習慣を見直すことが大切。また、健診などで肝機能の検査値に異常が見つかったら、早めに治療に着手することが重要になってきます。
*4 Oh S, So R, Shida T, et al. High-Intensity Aerobic Exercise Improves Both Hepatic Fat Content and Stiffness in Sedentary Obese Men with Nonalcoholic Fatty Liver Disease. Sci Rep. 2017 Feb 22;7:43029.