最短3カ月! あなたと家族の健康のために「禁煙外来」へ
なかなかやめられない喫煙。それは意志の弱さの問題ではなく、ニコチンの持つ強い依存性による「ニコチン依存症」という病気のせいです。治療期間は最短で約3カ月、健康保険が適用されれば、治療費も1日1箱吸うより安価です。たばこをやめたいなら、一度「禁煙外来」を訪ねてみてはいかがですか。
メタボや慢性閉塞性肺疾患(COPD)のリスクも高まる
喫煙の悪影響については、マスメディアやインターネットで多くの情報が提供されています。当コーナーでも、動脈硬化を進行させ、メタボ(メタボリックシンドローム=内臓脂肪症候群)の危険度が高まることなどを紹介しました(「たばこをやめると太る、ってホント?」参照)。
もう1つ加えると、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を引き起こすこともよく知られています。COPDは通称“たばこ病”といわれるほど喫煙者に多く、呼吸がしづらくなります。喫煙を続けていると症状は悪化し、酸素吸入を行わないと日常生活を送れなくなったり、最悪の場合は死に至ることも。治療の基本はもちろん禁煙です。
新型たばこにも健康リスクはあり、禁煙にも逆効果
近年、「加熱式たばこ」や「電子たばこ」といわれる新型たばこが人気です。加熱式たばこは、専用器具で葉たばこを加熱してニコチンを含む蒸気を吸うもの。電子たばこは、ニコチンを含む液体を加熱して発生した蒸気をパイプで吸引するものです。
煙を周囲にまき散らす紙巻たばこに比べ、健康リスクが少ない、受動喫煙の害がない――などといわれているようですが、こうした点について日本呼吸器学会では「誤認」という見解を表明しています(参考用外部リンク参照)。健康リスクが少ないかどうかは、「科学的証拠がなくて推測にすぎない」とし、どちらの新型たばこも、「有害物質を吸引する製品であり、使用は推奨できない」とはっきり警鐘を鳴らしているのです。
新型たばこなら禁煙しやすいともいわれていますが、最近の国立がん研究センターの調査では、従来のたばこに比べて禁煙成功率が約1/3低下したことが示されており、禁煙には逆効果だといえそうです(参考用外部リンク参照)。