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太り過ぎもやせ過ぎもNG! 適正体重を維持しよう

太り過ぎもやせ過ぎもNG! 適正体重を維持しよう

適正体重の維持は、食事と運動の両面から

適正体重の目安は、前述の「日本人の食事摂取基準2015」で年齢層ごとに示している「目標とするBMI」を参考にするとよいでしょう。体重管理は食事と運動の習慣を見直すことが柱になります。以下にその具体的な進め方をいくつか挙げます。

なお、適正体重であっても糖代謝異常、高血圧、脂質異常がある場合は、心血管疾患の危険性は高くなります。40歳未満の人および適正体重の人は、特定保健指導の対象者にはなりませんが、しっかり治療を受けましょう。

<食習慣の見直し>

  • 炭水化物、たんぱく質、脂質の量と質に気をつける
  • 必須アミノ酸、必須脂肪酸、ビタミン(ビタミンB、C、D、Eなど)、ミネラル(鉄、亜鉛、カルシウムなど)を十分摂る
  • 食物繊維を摂る
  • 食べる時刻に注意し、朝食を食べ、間食を避け、夜遅くに食べない
  • 食べる順番、食べる速度に気をつける
  • 食品添加物、合成甘味料、保存料はなるべく避ける
 

<運動習慣の見直し>

  • 有酸素運動を1回20分以上……ウオーキング、ジョギング、サイクリング、水泳などで週に数回行えれば体脂肪を消費しやすい。
  • 体を活発に動かすようにする……週に数回の運動習慣が無理なら、意識して毎日体を活発に動かすようにするのでも運動効果はある。家事をこまめにしたり、テレビを見ながらの筋トレなど。
  • 毎日、今より10分多く体を動かす……10分の歩行なら約1,000歩に相当する。徒歩通勤の時間を増やすとかエレベーターやエスカレーターを使わずに階段を歩くなど、ちょっとした運動を普段の生活のなかに加えていく。
 

参考文献

荒木 葉子 先生

監修者 荒木 葉子 先生 (産業医・内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長)
慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学。報知新聞社産業医、NTT東日本東京健康管理センタ所長を経て、現在荒木労働衛生コンサルタント事務所所長。内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント。企業の労働衛生と半蔵門病院で内科診療を行う。主な著書に『臨床医が知っておきたい女性の診かたのエッセンス』(医学書院)、『働く女性たちのウェルネスブック』(慶應義塾大学出版会)など。