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喫煙者は禁煙し、自分と家族の健康を守ろう

喫煙者は禁煙し、自分と家族の健康を守ろう

 喫煙は、本人だけでなく周囲の人にも健康被害をもたらします。日本では、自らの喫煙の影響で年間約13万人、受動喫煙の影響で年間約1万5千人が、たばこが原因による肺がん、心臓病、脳卒中で亡くなっています。この人数に、いまだに喫煙しているあなたやあなたの家族が加わることのないよう、今すぐ禁煙することを強くお勧めします。

喫煙は4つの主な生活習慣病に共通する危険因子。新型たばこでも健康影響の恐れ

生活習慣病は国際的にはNCDs(非感染性疾患)と呼ばれ、特にがん、循環器疾患、糖尿病、慢性呼吸器疾患への対策は重要な課題であるとされています。それらの主な危険因子として、喫煙、不健康な食事、身体活動の不足、アルコールの有害使用が指摘されています。なかでも喫煙は4疾患すべての危険因子であり、関連も強いことがわかっています。

わが国では、動脈硬化や脳卒中による死亡について、男性の1日1箱以内の喫煙で約1.5倍、2箱以上で2.2倍になることがわかっています。同様に虚血性心疾患死亡はそれぞれ1.5倍、4.2倍に。2型糖尿病の発症リスクも1日1箱以上の喫煙で発症リスクが男性1.4倍、女性3.0倍になります。*1 また、たばこを吸っている本人だけでなく、家族や周囲の人の健康にも影響があることも見逃せません。

なお、近年若い世代を中心に、新型たばこ(加熱式たばこ、電子たばこ)が流行しており、厚生労働省では「加熱式たばこの主流煙には、主流煙には紙巻きたばこと同程度のニコチンを含む製品もある」*2として警鐘を鳴らしています。一方電子たばこは、わが国ではニコチンを含むリキッドは販売されていませんが、「紙巻たばこと比較して、一部の有害成分が多く含まれるとの報告」*3とされており、ニコチンの有無にかかわらず、なんらかの健康影響が出る可能性があります。

禁煙を始めるなら自分に合った方法で

禁煙はいつ始めても早過ぎることはありませんが、比較的楽に、確実に禁煙するには、医療機関の禁煙外来等で禁煙治療を行うか、市販の禁煙補助薬を利用するとよいでしょう。下表を参考に、自分に合った方法で禁煙を始めましょう。

なお、医療機関での禁煙治療は、一定の条件に当てはまれば健康保険適用となり(「最短3カ月! あなたと家族の健康のために『禁煙外来』へ」参照)、市販の禁煙補助薬はセルフメディケーション税制(「軽度な不調には『セルフメディケーション』で、時間も医療費も節約しよう」参照)の対象となることがあります。

●自分に合った禁煙方法を選ぼう*3
禁煙方法 お勧めのタイプ
医療機関で禁煙治療を受ける
  • ニコチン依存度が中程度~高い人
  • 禁煙する自信がない人
  • 過去に禁煙して禁断症状が強かった人
  • 精神疾患など、禁煙が難しい特性がある人
  • 薬剤の選択など、禁煙にあたって医師の判断を必要とする人
薬局・薬店でニコチンパッチや
ニコチンガムを使ってやめる
  • ニコチン依存度が低い~中程度の人
  • 禁煙する自信が比較的ある人
  • 忙しくて医療機関を受診できない人
  • 健康保険適用の条件を満たさない人

荒木 葉子 先生

監修者 荒木 葉子 先生 (産業医・内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長)
慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学。報知新聞社産業医、NTT東日本東京健康管理センタ所長を経て、現在荒木労働衛生コンサルタント事務所所長。内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント。企業の労働衛生と半蔵門病院で内科診療を行う。主な著書に『臨床医が知っておきたい女性の診かたのエッセンス』(医学書院)、『働く女性たちのウェルネスブック』(慶應義塾大学出版会)など。