お酒の飲み過ぎはあなた、家族、社会に深刻な問題をもたらします
忘年会・年末年始など、宴会が多くなる季節が近づいています。度を過ぎた飲酒が心身に弊害をもたらすことは、さまざまに指摘されています。楽しいはずのお酒がアダにならないよう、お酒とは上手につき合いましょう。
お酒を飲む女性が増えている
厚生労働省「平成29年国民健康・栄養調査」では、「生活習慣病のリスクを高める量」(1日当たりの純アルコール量換算で男性40g以上、女性20g以上)の飲酒をしている人の割合は、男性14.7%、女性8.6%でした。男性は横ばい、女性は若干増加傾向にあります。
2010年と2017年を比較すると若年者の飲酒率は減少傾向にありますが、中高年者の飲酒率は増加傾向にあり、特に女性の60代は4.7%から9.6%と倍増しています。また、妊婦の飲酒は、胎児へも大きな健康影響を及ぼすため、対策が求められています。
(厚生労働省「平成22年国民健康・栄養調査」、「平成29年国民健康・栄養調査」をもとに監修者作成)
飲酒が増える理由、減る理由
日本酒造組合中央会が2017年に行った「日本人の飲酒動向調査」では、お酒が増える理由としては、誘われる機会が増えた、ストレスが増えた、仕事が忙しくなった、などが挙げられていました。一方、お酒が減る理由は、体調や健康が気になる、お酒に弱くなった、節約のため、体型のため、となっていました。最近飲んだお酒の種類は、ビール、日本酒、ワイン、ハイボールの順でしたが、若年者はハイボール、中高年者はビール、日本酒と好みが分かれました。
また、ノンアルコール飲料の消費量は、近年増加傾向にありこの10年で4倍に拡大しています。アルコール、カロリー、糖質、尿酸フリーに加え、最近は合成甘味料フリーの物も出てきました。健康と経済に関心がある層が増えてきたのかもしれません。消費税率も上がったため、更にこの傾向は強まる可能性があります。ただし、ノンアルコール飲料には、香料、合成甘味料など複数の物質が加えられている場合があり、その健康影響はまだ十分わかっていません。
節度ある適度な飲酒量とは?
「節度ある適度な飲酒」とされる飲酒量は、「生活習慣病のリスクを高める量」の半分の男性20g以下、女性10g以下です。純アルコール量は
お酒の量(ml)×〔アルコール度数(%)÷100〕×0.8
で計算でき、日本酒なら1合弱、ビールなら500ml、焼酎(25度)100ml、ウイスキー(43度)60ml(ダブル1杯程度)、ワイン(14度)180ml(ボトル4分の1本程度)となります。
なかなか「適量」で止めておくのは難しそうですね。自宅で飲むなら、何とかコントロールできるけれど、友達や顧客との付き合いでは無理、ということもあるでしょう。自分の飲んだ量を把握して、週単位で整える……などの工夫が必要かもしれません。