文字サイズ

メタボや肥満につながる生活習慣は、うつ病の発症リスクも高める!

メタボや肥満につながる生活習慣は、うつ病の発症リスクも高める!

 精神疾患の患者数が近年大幅に増え、なかでもうつ病の著しい増加が懸念されています。うつ病は、肥満や脂質異常症、糖尿病などメタボと関連の深い病気が発症リスクを高めることや、運動習慣や食生活との関連もわかってきました。メタボの予防行動でメンタルヘルス対策も行いましょう。

急増している精神疾患。目立つのはうつ病と認知症

精神疾患で医療機関にかかっている患者数は近年大幅に増え、2008年に約323万人だったものが2017年には約419万人に達しています。内訳として多いのは、うつ病、統合失調症、不安障害、認知症で、なかでもうつ病と認知症で著しい増加が指摘されています(厚生労働省「平成29年患者調査」)。

うつ病は、抑うつ症状(気分の落ち込みのほか、ものごとへの興味や関心の低下、不眠など)があり、自殺のリスクも高い重要な精神疾患の1つです。発症には、ストレスが強くかかるような環境(出来事)、完璧主義で几帳面などの性格傾向、遺伝的要因や身体疾患などが関係しており、それらが複雑に絡み合って起こることがわかっています。

さらに近年、メタボや肥満、それにつながる生活習慣も、うつ病に関連することが明らかになりました。

1万2,000人調査からメタボとの関連が明らかに 

これは、国立精神・神経医療研究センターが、約1万2,000人を対象に行った大規模調査*1によるもの。メタボの元凶とされる肥満(BMI[体重㎏÷身長m÷身長m]30以上)の人の割合が、うつ病にかかったことがある群ではそうでない群より約1.6倍多くなっていました。一方、BMI 18.5未満の体重不足の人も、うつ病群に多いことがわかりました。同様に、メタボの関連疾患である脂質異常症と糖尿病が、うつ病群で約1.5倍多いという結果でした。

また、生活習慣をみると、うつ病群は朝食をとる割合が低く、間食や夜食をとる割合が高い、中等度~強度の運動をする頻度が低いという結果でした。

一部のうつ病の発症には、生活習慣やそれによって起こるメタボ関連疾患がかかわっていること、またうつ病の発症によって食欲が低下し体重不足になる人や、逆にストレス太りで肥満になる人がいることが考えられます。

監修者 板倉 弘重 先生 (芝浦スリーワンクリニック名誉院長)
東京大学大学院医学研究科卒。同大学第三内科、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授、茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授等を経て現職。日本臨床栄養学会理事長、日本栄養改善学会理事、日本栄養・食糧学会副会長、日本動脈硬化学会評議員名誉会員、日本病態栄養学会理事、第33回日本動脈硬化学会総会会長などを歴任。