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健康診断や検診を定期的に受診し、病気の芽を早めに摘もう

健康診断や検診を定期的に受診し、病気の芽を早めに摘もう

 がんや糖尿病などの4割以上が自覚症状もなく見つかった、というデータがあります。病気に負けないためには、健康診断やがん検診を定期的に受けて、病気の芽が見つかったら早めに摘み取ることです。受診を怠りがちな被扶養者も含め、年に1回は自分の健康状態をチェックしましょう。

多くの重大疾患が自覚症状なしで、健康診断によって見つかっている

厚生労働省が一般の医療機関の受診者を無作為に選んで調べた「平成29年受療行動調査」によると、外来患者の場合、がんは約46%、糖尿病は約45%、高血圧は約35%の人たちがそれぞれの病気の自覚症状がなく受診していました。

自覚症状がないのに受診した理由のうち、最も多いのは、「健康診断(人間ドックを含む)で指摘された」(約43%)で、健診が病気発見のきっかけとして大きな位置を占めていることがわかります。

40~74歳の全ての人を対象に、メタボリックシンドロームに着目した特定健康診査(特定健診)、特定保健指導が始まったのは2008年度です。当時の実施率は約39%でしたが、10年が経過した2017年度は、約53%へと向上しています(厚生労働省「平成29年度特定健康診査・保健指導の実施状況」)。とはいえ、国が目標としている「70%以上」とは、まだ大きな隔たりがあります。

特定健診受診率が特に低いのは主婦。40歳以上は必ず受けて、自分の健康を守ろう

保険者別でみると、特定健診実施率は、市町村国保37.2%、国保組合48.7%、全国健康保険協会(協会けんぽ)49.3%、健康保険組合77.3%、共済組合77.9%と保険者によって実施率がかなり異なることがわかります。国保加入者は37%、協会けんぽ加入者は31%、健康保険組合は23%、共済組合は6%ですから、国保の実施率が低いことは憂慮すべきことです。

被保険者と被扶養者の受診率を比較すると、協会けんぽでは、被保険者57.8%に対し、被扶養者22.1%、組合健保ではそれぞれ90.5%、43.6%、共済組合では、92.0%、38.3%となっており、いずれも被扶養者の受診率が低いことがわかります。それぞれの保険者の被扶養者率は、協会けんぽ23%、健康保険組合28%、共済組合25%となっています。

被扶養者の多くは女性だと考えられますが、結婚後も就労する女性は増加しており、2018年(平成30年)の労働力率では、20歳から60歳までは70%以上の女性が働いています。それにもかかわらず、被扶養者率は約1/4を占めるということは、女性の非正規雇用が多いことを示しています。

被扶養者が家事や育児などで忙しく、自身の健康がおろそかになっている可能性もありますが、非正規労働のため、健康診断の機会が正規労働者ほど与えられていない、という可能性も強いです。今年から同一労働同一賃金が施行され、賃金のみならず、社会保障も整備されていくことになっていますので、今後、職場での健診にも変化がみられるかもしれません。

監修者 板倉 弘重 先生 (芝浦スリーワンクリニック名誉院長)
東京大学大学院医学研究科卒。同大学第三内科、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授、茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授等を経て現職。日本臨床栄養学会理事長、日本栄養改善学会理事、日本栄養・食糧学会副会長、日本動脈硬化学会評議員名誉会員、日本病態栄養学会理事、第33回日本動脈硬化学会総会会長などを歴任。