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肥満じゃなくても、脳卒中や心臓病の危険はありますか?

肥満じゃなくても、脳卒中や心臓病の危険はありますか?

肥満でない人も、高血糖・高血圧・脂質異常の予防と改善に取り組もう

厚生労働省では、特定保健指導の対象とならない非肥満の人でも、脳卒中や心臓病のリスク因子を持っている場合には、生活習慣の改善が必要であるとして、以下のような要点を挙げています。*2

  • 減塩する:高血圧のある人は食塩相当量1日6g未満、そうでない人も男性は1日に7.5g未満、女性は6.5g未満を目標とする。加工食品や外食メニューを選ぶ際には、食品表示で食塩相当量をチェックする習慣をもつ。
  • 野菜・果物、カルシウムを摂取する:食物繊維やカリウムが豊富な野菜や果物、きのこ類、海藻類などを積極的に摂る。カルシウムにも血圧を下げる効果があるので、牛乳や乳製品を摂るようにする。
  • 総エネルギーや糖質を減らし、適正体重を維持する:肥満や体重増加が明らかな場合は、BMI 22をめざして摂取エネルギーを制限する。また、肥満でない人も炭水化物の摂りすぎに注意し、甘い飲み物の摂取を控える。
  • 脂質の摂り方に注意する:肉の脂身や高脂肪の乳製品を避け、魚類の摂取を増やす。
  • 飲酒は適量に:適量を守り、血圧が高い人や、中性脂肪値・肝機能・尿酸値などが高い人は特に節酒する。
  • 禁煙する:肥満の有無にかかわらず、喫煙者は禁煙する。
  • 身体活動量を増やす:日常生活では、歩行か、それと同等以上の強度の身体活動を毎日60分行う。さらに、息が弾み汗をかく程度の運動を毎週60分行う。現在の身体活動量が少ない人は、今より毎日10 分ずつ長く歩くなど、日頃の身体活動量を少しでも増やすところから始める。
  • 食行動を改善する:よく噛んで食事を楽しむ。野菜・海藻類を先に食べる。朝食を食べる。ストレスを解消するためのやけ食いや無茶食いを避ける。間食を控え、夜食を摂らないようにする。
 

家族に生活習慣病の人がいる人や、健診で検査値に問題があっても気にしていない、あるいは基準値内でも年々数値が悪くなっているような人は、早めの改善に取り組みましょう(ただし、医師から食事指導等を受けている人は、それに従いましょう)。

なお、特に若い女性や高齢者でやせ型の人は、食事と運動で適正体重を維持するように注意しましょう。

参考文献


荒木 葉子 先生

監修者 荒木 葉子 先生 (産業医・内科医 荒木労働衛生コンサルタント事務所所長)
慶應義塾大学医学部卒業後、内科・血液内科専攻。カリフォルニア大学サンフランシスコ校留学。報知新聞社産業医、NTT東日本東京健康管理センタ所長を経て、現在荒木労働衛生コンサルタント事務所所長。内科専門医・産業医・労働衛生コンサルタント。企業の労働衛生と半蔵門病院で内科診療を行う。主な著書に『臨床医が知っておきたい女性の診かたのエッセンス』(医学書院)、『働く女性たちのウェルネスブック』(慶應義塾大学出版会)など。