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速食いが病気につながるって、本当?

速食いが病気につながるって、本当?

【こたえ】
速食い(はやぐい)は肥満やメタボ、糖尿病のリスクであることがわかっています。特定健診の質問票では、人と比べて速食いかどうかを尋ねる項目がありますが、この項目で「はい」に「○」をつけた人や、ふだんから速食いの自覚のある人は、今日の食事から改善していきましょう。

速食いはメタボや糖尿病の危険度を高める

速食いが肥満につながることは古くから言い伝えられてきましたが、エビデンスが明らかになってきたのは21世紀になってからです。その端緒と言うべき研究が2002年に行われた愛知県内に住む成人男女(35~69歳)約4700人を対象にした疫学調査*1で、速食いの人は現在の肥満度(BMI)が高く、20歳時点からのBMI増加量も高いことが明らかになりました。 また、千葉県と大分県の特定健診で得られた計約 20 万人分のデータを分析した研究*2*3では、性別や年齢関係なく、保健指導判定区分の「動機付け支援」「積極的支援」に該当する人には、速食いの人の割合が高くなっていました。

速食いは肥満だけでなく糖尿病の発症のリスクであることも明らかになってきました。特定健診のデータを基に生活習慣と糖尿病発症の関連を分析した研究*4では、食習慣の中では「朝食抜き」や「就寝直前の食事」「夕食後の夜食」などを差し置いて「速食い」が糖尿病発症の最も強い危険因子であることが示されました。

ゆっくり噛んで食べる工夫を

速食いが肥満につながるのは、脳が満腹を感じる前にたくさん食べてしまうからとされています。脳が「満腹」と感じるまでには、食事を始めてから20分以上かかるといわれているため、それを目安にできるだけ時間をかけて食べることが勧められます。

まずは、自分の食事のようすを振り返り、「あまり噛まないで食べることが多いか」「一口量が多いか」「次から次へと食べ物を口に入れていないか」を確認して、次のような工夫で改善してみましょう。*5


  • あまり噛まずに食べてしまう人:
    噛む回数の目標を立てる(理想は1口30回以上ですが、無理なく続けられる回数の設定を)。食物繊維の多い食材(根菜・豆・きのこ類など)や弾力のある食材(こんにゃく、イカ、タコなど)を増やす。食材は大き目に切ったり、硬めにゆでたりするなど。
  • 一口量が多い人:
    丸かじりせずに小さく分けてから食べたり、箸で取る量を少なめにする。スプーンを使うときは小さめのスプーンにするなど。
  • 次から次へと食べ物を口に入れてしまう人:
    テレビやスマホを見ながらのような「ながら食い」をしない。一口ごとに箸を置く。食事の合間に水分をとって一呼吸置くなど。

安藤 雄一 先生

監修者 安藤 雄一 先生 (国立保健医療科学院 生涯健康研究部 主任研究官)
1983年新潟大学歯学部卒業。新潟大学歯学部予防歯科学講座医員、同助手、新潟大学歯学部附属病院講師、国立感染症研究所口腔科学部歯周病室長、国立保健医療科学院口腔保健部口腔保健情報室長、同生涯健康研究部上席主任研究官、同統括研究官を経て、2019年より現職。