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運動不足が原因で亡くなる日本人は毎年どれくらいいる?

運動不足が原因で亡くなる日本人は毎年どれくらいいる?

【こたえ】
日本では年間約5万人が、運動不足を危険因子とする病気などで亡くなっているという報告があり、喫煙と高血圧に次ぐリスクにランクされています。今年は、新型コロナウイルス対策の巣ごもりで運動不足になっている人は多いはず。感染予防に配慮しながら、できるだけ体を動かしましょう。

日本人はもともと運動不足気味

わが国では死亡につながる危険因子として、運動不足は第3位に挙げられ、その死亡数5万2,200人は高血糖や塩分のとり過ぎよりも上位になっていると報告*1されています。

運動不足をみる指標としては、1日の歩数がよく取り上げられます。「健康日本21(第二次)」では、日常生活での歩数の目標は20~64歳の男性で9,000歩、女性で8,500歩としています。しかし、現状を直近の統計*2でみると男性は約6,800歩、女性は約5,900歩と目標には遠く及びません。

運動習慣のある人(1回30分以上の運動を週2回以上行い、1年以上続いている人)の割合も男性31.8%、女性25.5%で減少傾向。年齢階級別にみると、男女とも20歳代で最も割合が低いのが目を引きます。

このように日本人はもともとが運動不足気味なのに加え、コロナ禍による活動制限と運動不足の長期化で、体重増加や体力の低下、ストレスの蓄積、体調不良などの悪影響がすべての年齢層で懸念されています。

運動だけでなく、日常生活でも積極的に体を動かそう

健康づくりのためには、毎日積極的に歩き、体を動かすことが重要です。通勤時には1駅手前で降りて歩き、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を利用すれば、エネルギー消費量は格段に増えます。

息が弾み汗をかく程度の運動を毎週行うことも勧められていますが、家事など日常生活での活動の重要性も指摘されています。肥満者は非肥満者に比べて、立って体を使ったり歩いたりする時間が1日平均で150分も少なかったという報告*3があり、なるべく座った状態でいることを減らして、普段から体を積極的に動かすことが、健康づくりの第一歩といえます。

森谷 敏夫 先生

監修者 森谷 敏夫 先生 (京都産業大学現代社会学部 健康スポーツ学科 教授)
1980年、南カリフォルニア大学大学院博士課程修了(スポーツ医学、Ph.D.)テキサス大学、テキサス農工大学大学院助教授、京都大学教養部助教授(准教授)、カロリンスカ医学研究所国際研究員(スウェーデン政府給付留学)、米国モンタナ大学生命科学部客員教授などを経て、1992年、京都大学大学院人間・環境学研究科助教授(准教授)、2000年から同科教授。2016年から京都大学名誉教授および共通教育推進機構教授、2017年から現職。専門は応用生理学とスポーツ医学。国際電気生理運動学会会長、アメリカスポーツ医学会評議員、日本運動生理学会理事ほか、複数の要職兼務。主な著書は『メタボにならない脳のつくり方』『人は必ず太る しかし 必ずやせられる』ほか。