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健診で腹囲が基準値を超えた…内臓脂肪は何が怖い?

健診で腹囲が基準値を超えた…内臓脂肪は何が怖い?

内臓脂肪は食事と運動の見直しで減らしやすい

内臓脂肪は皮下脂肪に比べて、蓄積しやすい一方で減らしやすいという性質があります。このため、食事でエネルギーをとり過ぎないことと、体を動かして消費エネルギーを増やすことが重要になってきます。

食事の基本は栄養バランスのよい食事を3食きちんととること。しかし、活動量が減る夜の食事は軽めにし、具体的にはご飯、パン、めん類など、糖質を控えめにしましょう。

内臓脂肪型肥満であることがはっきりしている場合は減量が必要です。ただし、減量は1カ月に1㎏程度とゆるやかにするほうが安全です。急激に体重を減らすと筋肉量が減ってしまい、むしろ病気になりやすい体になってしまいます。また、極端に食事を減らすと体が飢餓状態になり、かえって脂肪を蓄えやすくなります。

たまった脂肪を減らすためには、少し息切れするくらいの強度で長く続けられる有酸素運動が適しています。種目は何であっても効果に大きな差はないといわれています。また、1日の運動時間も、30分の運動を1回行うのと10分の運動を3回に分けて行うのとでも効果に差がないことがわかっています。日常生活のなかでも、少し遠くまで買い物に出かけたり、掃除や洗濯などの家事をキビキビこなすなど、活発に体を動かすことを心がけましょう。

体脂肪が1kg減ると、腹囲が1cm減るとされています。目標の体重・腹囲を定めて取り組むとよいでしょう。


板倉 弘重 先生

監修者 板倉 弘重 先生 東京大学大学院医学研究科卒。同大学第三内科、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授、茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授等を経て現職。日本臨床栄養学会理事長、日本栄養改善学会理事、日本栄養・食糧学会副会長、日本動脈硬化学会評議員名誉会員、日本病態栄養学会理事、第33回日本動脈硬化学会総会会長などを歴任。