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在宅勤務によりコロナ太り。肥満予防・改善法は?

在宅勤務によりコロナ太り。肥満予防・改善法は?

【こたえ】
新型コロナウイルス感染症対策によるステイホームが続き、運動不足や食べすぎ・飲みすぎによる摂取カロリーの過多、コロナ収束が見えないことによるストレスなどが原因で、多くの人で体重増加(コロナ太り)が生じています。肥満の予防・改善には、運動と食事の見直しを地道に行っていくほかありませんが、ウィズコロナ時代なりの工夫も必要です。

コロナ禍がもたらした肥満問題

在宅勤務と外出自粛は、私たちが体を動かす機会を大きく削いでいます。通勤で歩いていた時間は激減し、主婦や高齢者も買い物や散歩、趣味の集まりなどへ出かけていくことを極力控えるようになりました。こうしたことによる運動不足が、体重増加に直結しているといえそうです。

また、感染力を増した新型コロナウイルスの変異株の広がり、長引く在宅勤務や雇用問題など、いつ終わるとも知れない現状そのものへの不安は、多くの人たちにストレスをもたらしているでしょう。

「ストレス太り」ということがあるように、ストレスがかかると「つい食べ物を口にしてしまう」といった行動が起こりがちになります。ストレスや不安は、脳の満腹中枢を刺激して食行動を抑える働きをするセロトニンという神経伝達物質を分泌しにくくするといわれています。

肥満は多くの病気の原因に

肥満、特に内臓周辺に過剰に脂肪がたまる内臓脂肪型肥満は、糖尿病や高血圧、心筋梗塞、脳梗塞、がん、認知症などを引き起こすことがわかっています。そして、内臓脂肪はわりと短期間でたまりやすいことから、コロナ太りの多くは内臓脂肪型肥満ではないかと考えられています。

また、肥満の人が新型コロナウイルスに感染すると、重症化しやすいことも指摘されています。ウイルスが体内に侵入すると、これを排除するため脂肪細胞からアディポサイトカインというたんぱく質が分泌されます。脂肪細胞が過剰な肥満者では、これが大量に分泌され、体内で嵐が吹き荒れるように炎症が起こり(サイトカインストーム)、正常な細胞も痛めつけてしまうことがあります。さらに、おなかや胸周りに脂肪がたまっていると肺が広がりにくくなり、呼吸困難が起こりやすいことも指摘されています。

板倉 弘重 先生

監修者 板倉 弘重 先生 東京大学大学院医学研究科卒。同大学第三内科、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授、茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授等を経て現職。日本臨床栄養学会理事長、日本栄養改善学会理事、日本栄養・食糧学会副会長、日本動脈硬化学会評議員名誉会員、日本病態栄養学会理事、第33回日本動脈硬化学会総会会長などを歴任。