メタボ改善・医療費の節約にも。特定保健指導を受けよう
特定健康診査でメタボリックシンドローム(以下、メタボ)かその予備群と判定されると、特定保健指導の対象になります。これは、自分1人では難しい生活習慣の改善を、医師や保健師などの専門家がサポートするものですが、残念ながら対象者のごくわずかしか指導を受けていないのが現状です。無料または安価で受けられる特定保健指導を利用して、メタボのリスクを回避しましょう。
リスクのレベルにより「積極的支援」か「動機づけ支援」かに分けられる
特定健診(メタボ健診)は、40~74歳の人を対象に、メタボとその予備群の早期発見を目的に行われます。メタボとは、内臓脂肪型肥満に加え、血圧、血糖、血中脂質のうち2つ以上が基準値を超えた状態です。そのまま放置していると動脈硬化が進み、脳卒中や心筋梗塞などの重大な病気を発症する危険が高いことがわかっています。
特定健診では、腹囲(もしくはBMI=体格指数)に加えて、血圧、血糖、血中脂質のどれか1つ以上が保健指導判定値に該当したら特定保健指導の対象になります。指導の対象者は、さらに血圧、血糖、血中脂質、喫煙ありなどのリスクの該当レベルにより「積極的支援」か「動機づけ支援」のどちらかに判定されます。
医師や保健師、管理栄養士などの専門家からのアドバイスが受けられる
メタボをもたらすのは、食事や睡眠、運動、喫煙、飲酒など、長年続けてきた不適切な生活習慣です。それを自覚していても、自分1人の力で改善するのは容易ではありません。そこで、特定保健指導では医師や保健師、管理栄養士などの専門家がサポートし、時間をかけてメタボのリスクを減らしていきます。
動機づけ支援では、初めに保健師や管理栄養士らと面談し(オンラインで行う場合もある)、食事や運動などの生活習慣の改善に向けた指導を受け、実現可能な行動目標や行動計画を一緒に作ります。それに沿ってご自身で実践していきます。
積極的支援でも初めに面談を行った後、専門家から電話やメールなどで行動計画の進捗状況の確認やアドバイスなどの支援を、3カ月以上にわたって受けます。
どちらの支援も一定期間経過した後で、目標の達成状況や体の変化などに、専門家の評価を受けて終了となります。
協会けんぽ加入者の場合、これらにかかる費用には補助があり、被保険者は無料です。家族については補助額を超えた部分は自己負担となります。補助額は、動機づけ支援については8,470円、積極的支援については25,120円がそれぞれ上限になります。