高齢者はメタボ予防よりも低栄養にご用心
予防のポイントは3つ
前述のBMIややせすぎ・フレイルのチェックなどに該当するようなら、すぐに対策に取り組むことが重要です。フレイルは早めに気づいて積極的に対処することで、改善効果が大きくなると考えられています。予防の柱は次の3つです。
(1)栄養摂取
特に重要な栄養素はたんぱく質。不足すると筋肉量が減少します。筋たんぱくの合成が遅い高齢者は、若いときより努めて摂取しましょう。栄養バランスをとることを基本に、主菜は必ず肉・魚・卵などの料理、副菜にたんぱく質の豊富な大豆食品、乳製品などを加えましょう。
また、高齢者は1回に食べる量が少ないので、毎日必ず3食とり、必要なエネルギー量やたんぱく質を確保しましょう。
食べ物をしっかり噛んだり、飲み込んだりするためには口腔ケアも重要です。むし歯や歯周病を悪化させないよう、半年に1回程度は歯科医院で口腔内の検査を受けましょう。
(2)身体活動
活発な身体活動は筋肉を維持し、食欲や心の健康にも好影響があります。おすすめなのはよく歩くこと。厚労省が推奨する「健康日本21」では、1日の目標歩数を20歳から64歳までの男性は9,000歩、女性は8,500歩、65歳以上の男性は7,000歩、女性は6,000歩と設定しています。
(3)社会参加
人との接触が少なくなる孤立状態は、心身のストレスとなり健康にも悪影響を与えます。趣味の集まりやボランティア活動などに参加して、孤立を避けましょう。毎日1回は意識的に外出し、毎週1回は友人・知人と交流し、毎月1回は楽しさを感じる活動に参加するようにしましょう。