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「脱肥満」を目指して減量を始めたい。まず何から始めればよい?

「脱肥満」を目指して減量を始めたい。まず何から始めればよい?

食事と運動を組み合わせて、ゆるやかな減量を

生活習慣病予防のための「脱肥満」の標的は、内臓脂肪です。内臓脂肪は分解と合成が盛んで、増えやすい一方で減らしやすいのが特徴。日々の体重の増減をチェックしながら、食事と運動の両面で対策を立てましょう。

●食べすぎていないか……日ごろの身体活動量が低いのに、食欲のままに食事をしていないか。食べる量が多くなりがちなら、ゆっくり噛んで腹八分目を心がけて。

エネルギー量の多い脂っぽい食品から脂質の少ない食品を選ぶ。主食となるごはんやめん類、パンなどの糖質もとりすぎると体脂肪として蓄積するので控えめに。お酒や間食も要注意。

●有酸素運動に筋トレをプラス……食事だけで急激に減量しようとすると、低栄養に陥る危険がある。高齢で低栄養だと筋肉量が減少し、身体機能が落ちてしまう「サルコペニア」の状態を招きかねない。このため、食事の量を減らすだけでなく、運動でエネルギーを消費することも重要。内臓脂肪を減らすにはウォーキングやジョギングなどの有酸素運動が効果的。「ややきつい」と感じるくらいの強度で、1日30分以上、週に3日以上行おう。

また、筋肉を鍛えることも併せて行うと、体の代謝が高まり消費エネルギーを増やすことができる。腹筋や背筋、胸筋、太ももなどの大きな筋肉を刺激するスクワットや腹筋運動、腕立て伏せなどがおすすめ。減量は、半年で体重の3~5%減くらいのペースを目標に。


板倉 弘重 先生

監修者 板倉 弘重 先生 東京大学大学院医学研究科卒。同大学第三内科、国立健康・栄養研究所臨床栄養部長、ブラジル リオグランデヂス-ルカソリック大学客員教授、茨城キリスト教大学生活科学部食物健康科学科教授等を経て現職。日本臨床栄養学会理事長、日本栄養改善学会理事、日本栄養・食糧学会副会長、日本動脈硬化学会評議員名誉会員、日本病態栄養学会理事、第33回日本動脈硬化学会総会会長などを歴任。