血圧が高めと指摘されたけど、すぐに受診が必要?
【こたえ】
特定健康診査(メタボ健診)で高血圧症と診断される数値を少し超えたくらいであれば、ただちに医療機関に受診する必要はありません。まずは生活習慣の改善に取り組みましょう。数カ月間続けても血圧が下がらない場合は、かかりつけ医などに相談するようにしてください。
動脈硬化から心筋梗塞や脳卒中の危険が
血液は、血管を流れることにより常に血管の壁に圧力を与えています。これを血圧といい、血圧が高いまま放置すると血管に負担がかかり、動脈硬化につながります。動脈硬化がさらに進むと、心臓や血管が障害されて心筋梗塞や脳卒中などが起こりやすくなります。
高血圧は、日本人の生活習慣病に最も影響しているリスク要因の1つ。成人のほぼ2人に1人は高血圧といわれます。その大部分は、原因がはっきりしないのに起こる「本態性高血圧」で、食塩の取りすぎ、肥満、飲酒、運動不足、ストレスなどの不適切な生活習慣や、もともと高血圧になりやすい遺伝的体質などが重なって起こるとされています。
「保健指導判定値」と「受診勧奨判定値」
メタボ健診では、収縮期血圧が130mmHg以上、または拡張期血圧が85mmHg以上の場合を「保健指導判定値」、同じく140mmHg以上、または90mmHg以上を「受診勧奨判定値」としています。
●保健指導判定値
日本高血圧学会の診断基準では「高値血圧」に相当します。これは高血圧の1歩手前の状態で、生活習慣の改善に取り組みます。同時に腹囲が基準(男性85cm以上、女性90cm以上)を超えたり、内臓脂肪型肥満が疑われる場合には、医師や保健師、管理栄養士らによる特定保健指導の対象になる場合もあります。
●受診勧奨判定値
同学会の基準では「高血圧」に相当し、医療機関で測定した場合には高血圧症と診断されます。文字通り医療機関への受診が勧められる数値ですが、判定値を少し超えた程度ならすぐに受診する必要はないとされています。その前に日頃の生活を見直し、前述したような不適切な生活習慣があれば、その改善に取り組むことが先決です。そうした努力を3カ月ほど続けても血圧値に改善が見られないようなら、受診ということになるでしょう。
また、収縮期血圧が160mmHg以上、または拡張期血圧が100mmHg以上と特に高い場合や、糖尿病をもっていたり、喫煙・脂質異常・高血糖など動脈硬化を進行させるほかのリスクがあれば、医療機関に受診するよう指示されることがあります。