心のサポーターをもとう
あなたにとって、「気のおけない人」はいますか? 気軽に話せる人、一緒にいると楽しい人、困ったときに、心の支えになってくれる人……。忙しい毎日だからこそ、心のサポーターを複数、もっていたいもの。それには、日ごろからそうした関係を築いておく必要があります。
男は黙って……という傾向に潜む危険
うつ病は女性に多いといわれています。しかし、うつ病から自殺に至ってしまう男性は、女性より数倍多いといわれます。これは、どうしてでしょうか。女性は、悩みがあると誰かに相談しようとすることが少なくありません。その誰かのなかには、医者も含まれているため、うつ病で受診する人が多くなり、女性には「うつ病の患者さん」が多いという結果になることが推察できます。
いっぽう、男性は安易に他人に弱みを見せられない傾向があるため、つらいことがあっても人に相談することは少ないようです。心の問題で受診する人はさらに少なくなってしまうため、医療のサポートを受けられないまま、こじらせて「死」に至ってしまうことになりかねないのです。
日ごろから確保しておきたい「心のサポーター」
たとえば、おしゃべりはれっきとしたストレス解消方法です。それも「たわいのない」おしゃべりが心には効果的。できれば、職場以外にも友人をつくって利害関係を離れた会話を楽しむ機会をもてれば理想的です。
また、できるだけ毎日一度は家族で食卓を囲むようにしたり、ごくあたりまえかもしれませんが、「おはよう」「行ってきます」「ありがとう」「ただいま」などの言葉を習慣にして、家族同士のコミュニケーションをもつようにしておきましょう。心の悩みは、人に話すことで離れていくことが多いもの。日ごろから、夫婦や友人、同僚、趣味の仲間など、気軽に話せる相手を確保しておきたいものです。複数のサポーターがいれば、一つの人間関係に疲れたとき、別の人間関係に助けられるということがあるように、いろいろな角度からの解決の糸口がみつかります。公的な相談窓口などの情報も集めておくとよいでしょう。
全国にある相談窓口
こうした相談窓口があることを知っておきましょう。最寄りのところを調べておいてもいいでしょう。
●メンタルヘルス対策支援センター
http://www.rofuku.go.jp/yobo/mental/tabid/114/Default.aspx
心の不調の予防から、職場復帰支援までメンタルヘルス全般の相談に応じてくれます。47都道府県産業保健推進センターに開設されています。
●精神保健福祉センター
http://www.acplan.jp/mhwc/centerlist.html
こころの健康総合センターという名称のところもあります。都道府県、指定都市に設置され、メンタルヘルス全般の相談に応じてくれます。
●いのちの電話
http://www.find-j.jp
電話を通して人々の悩みを聴き、心の支えになっていこうという活動を行うボランティア団体です。