花や野菜を育ててみよう
まだまだ寒い日が続きますが、立春も過ぎて暦のうえではすでに春! 春は、花や緑が芽吹き、自然の恵みが一層感じられる季節です。花や緑と触れ合うのが好きな人は、自分で育ててみませんか? 植物を育てることは心と体によい効果をもたらします。
命を育み、自然のなかで生かされている喜びを再発見できる
人間は、すべからく自然の恵みを享受して生きています。しかし、科学が発達した現代では、あたかも自分の力だけで生きているかのように錯覚している人が多いようです。つまり、自然によって「生かされている」実感を失っているといえます。いつも時間に追われ、ゆとりのない人は、なおさらその傾向が強いといえるでしょう。
こうした場合、いったん仕事でつまずいたり、人間関係がうまくいかなかったりすると、自分が生きている意味まで見失ってしまいがちになります。
植物でも動物でもよいのですが、生き物と身近に接することは、自分もまた地球上の生き物の一つなのだと感じることにつながります。自然のなかでお互いに助け合って生きていることを実感すれば、折れやすい心にもしなやかさが生まれるかもしれません。
そうした意味でガーデニングは心と体によい効果が期待できる絶好の趣味。アメリカやヨーロッパでは、「園芸療法」として、医療や福祉の場において積極的に取り入れられているものです。そこまでやって来ている春に向けて、花や緑、野菜などの植物を育ててみませんか?
楽しみながらできることから、生活に取り入れるのがおすすめ
心と体へのよい効果が目的のひとつなら、植物を育てるといっても大げさに考えず、楽しみながら行うことが大切なポイント。ベランダのちょっとしたスペースにプランターや植木鉢に種をまいたり、苗を植えたりするのもよいでしょう。最近は、簡単にできる家庭菜園キットなども販売されていますし、園芸店やホームセンターなどでも、初心者が育てやすい花の種や苗などが多く出回っています。とくに、ハーブなどは初心者にも育てやすく、心や体への効用があるものが多いのでおすすめです(下記参照)。
庭がなく、ベランダにも鉢など置くところがない場合は、部屋に観葉植物を置いてもよいでしょう。緑が1つあるだけでも心和む空間になるものです。また、季節の花の鉢植えや切り花を部屋に飾るだけでも楽しい気分になれます。
花が開いたり、実が実ったり、野菜であれば収穫できたりなど、命あるものは刻々と変化していきます。メンタルヘルスケアの究極の目的は、「Life」すなわち命と生活を大切にすること。植物を育てることで、刻々と変化する命や毎日の生活を大切に感じることが、自分自身の成長にもつながっていきます。
はじめてでも比較的育てやすいハーブとその効用
- バジル:
ソースにしたり、肉料理の付け合せなどによく用いられる。坑酸化作用、健胃作用、殺菌作用などのほか、リラックス効果もあるとされる。
- ミント:
ハーブティー、飲み物やデザートのつけ合せ、入浴剤などにも用いられる。リラックス効果やリフレッシュ効果があるほか、消化促進、殺菌作用、口臭予防、鎮痛作用などがあるとされる。
- タイム:
ハーブティー、肉料理のつけ合せ、ポプリ(匂い袋)などによく用いられる。消化促進、体力の回復、せき止め、殺菌作用などがあるとされる。
- カモミール:
ハーブティーや入浴剤によく用いられる。リラックス効果があり、不眠などにも有効とされ、ストレスからくる胃痛や月経痛などにも効果があるとされる。
- レモンバーム:
ハーブティー、サラダ、デザートのつけ合せ、入浴剤などにも用いられる。リラックス効果のほか、抗酸化作用、消化促進、抑うつ効果、肌への保湿効果などがあるとされる。