文字サイズ

「疲れてやる気が起きず、遊びに誘われても心が動きません」

「疲れてやる気が起きず、遊びに誘われても心が動きません」

Q.20代女性です。疲れてやる気が起きず、休日はほとんど家にいます。遊びに誘われても心が動きません。どうしたらいいでしょうか。

A.疲労がたまってバッテリー切れ状態なのですね。昼休みに公園に行くだけでもいいので、緑や自然に触れてエネルギーチャージしましょう。

心身のバッテリー切れをほうっておくと悪循環に。公園に出かけてみましょう

以前は誰かに誘われると必ず出かけていたのに、今は何を見ても聞いても心が動かないのですね。相談者さんは、疲れや忙しさによって、心身のバッテリー切れ状態になっているのかもしれません。

誰しも、心身共に元気なときには、思考や気分、行動が好循環で回っていることが多いもの。一方、極度に疲れていたりうつ状態に陥っていると、意欲が低下し、活動量が減って、趣味にも取り組めなくなったり、やるべきことを先延ばしにしてしまいます。その結果、楽しいことがなく達成感も得られず、やらなければいけないこともたまってしまい、ますます憂うつになったり、イライラや不安感が募ったりして、悪循環に……。

家でじっとしているのもいいですが、そのような悪循環を断ち切るには、外に出て公園に行ってみるとよいでしょう。そんなこと、と思うかもしれませんが、ぜひ試してみてください。

自然にふれることで、麻痺しかけていた感覚を取り戻すことが大切

いくら文明が発達したとはいえ、人間もやはり、自然の中で生活してきた生き物です。不思議なもので、緑や自然に触れると、忘れていたいろいろな感覚が戻ってきたり、少しずつ元気が出てきたりします。ベンチに座って目を閉じ、ゆっくりと深呼吸してみましょう。たくさんの空気が体の中を駆け巡るのと同時に、木々や花の香り、風の音、鳥のさえずりなど、ふだん気がつかなかったさまざまな匂いや音に気づくはずです。そうして体を自然に任せることで、忘れかけていたいろいろな感覚が戻ってきます。

人は忙しすぎると感情が希薄になったり、感覚が麻痺(まひ)してしまって、仕事上の疑問や自分の体調不良に気づかずやり過ごしてしまうことがあります。とにかく日々をこなそうとするあまり、無意識のうちに考えるのをやめる習慣がついてしまうのです。そして、仕事や職場環境に疑問を持っても何も言い出さない、あるいは自分の倒れるまで働き続けてしまう、といったことさえ起こってしまいます。

「疲れてやる気が起きない、前の自分と違う」と気づいたなら、第一歩。次のステップとして、自然とふれあい、自分を少し取り戻しましょう。

心に少し余裕ができたら、つらい状況を相手に打ち明けてみては

相談者さんを遊びに誘ってくれた相手は、様子の変化を心配してくれているかもしれません。心に余裕が出てきて、相手の気持ちに意識が向いたら、「ちょっと疲れていて…」「遊びに行く気になれなくて…」と打ち明けてみるのはどうでしょうか。話を聞いてもらうだけで、気持ちが楽になることがあります。早めに、周囲にうまく助けを求めることも大切です。

もし、バッテリー切れの状態が解消しない場合は、心療内科や精神科、カウンセラーなどの心の専門家に相談することも検討しましょう。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。