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「1年ほどうつ病で休職。そろそろ復職したいのですが、不安です」

「1年ほどうつ病で休職。そろそろ復職したいのですが、不安です」

Q.20代女性です。1年ほどうつ病で休職していました。そろそろ復職したいのですが、復職した自分を想像すると不安です。

A.復職には、主治医の判断が必要です。主治医とよく相談し、復職許可が出たらリハビリを行いましょう。焦るとかえって復職が遅れるので、無理なく心身のエネルギーを蓄えることが大切です。リワークプログラムや、試し出勤制度を活用することも有効です。

自分の意欲だけで復職を検討するのではなく、主治医とよく相談を

1年も休職してしまってそろそろ復職しなければ……、と考える相談者さんのお気持ちはとてもよくわかります。しかし、うつ病からの復職は自分の意志だけで決められるものではありません。心の病気は、よくなったと思っても安定するまで時間がかかるものです。体の病気以上に、治癒の判断が難しく、早まると再発してしまう危険性も高くなるので、「職場復帰が可能」という主治医の判断が必要です。そして、その判断や、就業上の配慮に関する主治医の意見が記入された診断書を、職場に提出することになります。

生活リズムを整え、復職後のシミュレーションを重ねてリハビリを

日常生活を送るうえで支障がほとんどなくなり、主治医から復職の許可が下りても、しばらくの間は準備期間がが必要です。主治医や職場と相談して復職時期が決まったら、その日に向けて無理のないペースでリハビリを行いましょう。

リハビリの目的は、①生活リズム(睡眠や食事など)を整えること、②就業を想定した日中活動を行うこと、そして③これらを継続できるようにすること、の3つです。

①生活リズム(睡眠や食事など)を整える

規則的な生活に戻すことは、心身の調子を整えるうえでも、体力維持のためにも重要です。起床時刻や食事時刻、日中行動、睡眠などを記録する日課表を作成すると、自分の生活状態を客観的に確認でき、次の目標も立てやすくなります。

②就業を想定した日中活動を行う

日中に何かしらの活動を行うことで、就業後の自分をシミュレーションしてみましょう。
医療機関に設置されたリワークプログラムを活用したり、毎日図書館に通って何かしらの作業をするとよいでしょう。最初に行っていた作業が問題なくできるようになったら、少しずつステップアップして難しい作業に移行するようにします。
また、都市部でラッシュ時間帯に通勤する必要のある人にとっては、ラッシュ時の電車に乗って数駅で降り、徐々に駅数を増やしていくこともリハビリのひとつとして重要です。

③これらを継続できるようにする

復職自体がゴールではなく、復職後は何日も、何カ月後も、何年後も働き続けることになります。復職前から、ストレスを感じたときにはためこまずにセルフケアで解消する、調子がよくないと思ったときはペースを緩める、あるいは主治医に相談する、といった心がけで備えることが大切です。
なお、会社によっては、「試し出勤制度」などが設けられている場合があります。基本的にはリハビリの期間が終わってから、職場側の準備が整っているうえで行うものですが、職場環境に慣れるには効果的です。試し出勤制度がある場合は、活用するとよいでしょう。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。