「休業や在宅勤務が続き、生活に乱れが…。やる気も起こりません」
Q.20代女性です。新型コロナウイルス感染拡大の影響で休業日や在宅勤務日が相次ぎ、生活リズムが崩れてしまいました。休日は何もやる気が起こらないうえに、たまにある出社日もおっくうです。どうしたらいいでしょうか。
A.日々刻々と変わる状況や生活の変化に加え、感染に対する不安、季節の変化など、さまざまなストレスに心身が必死に対応している時期です。生活習慣が乱れてしまいがちですが、生活の乱れはますます心身に負担をかけ、悪循環を生み出します。休日や在宅勤務の日も含めて極力、起床・就寝時間を一定にしましょう。
「デイリーハッスル(日常生活混乱)」の蓄積が、大きなストレスに
2020年春現在、突然の新型コロナウイルス流行が起こり、休業や在宅勤務、外出自粛要請など、これまでの生活では想像できなかったことが次々に発生しています。相談者さんのように、大きな困難はなくとも、生活サイクルが変わった人はたくさんいるでしょう。
米国の心理学者ラザルスとフォルクマンは、日常の中のささやかな面倒事や混乱を招く出来事を「デイリーハッスル(日常生活混乱)」と呼び、デイリーハッスルが積み重なることで健康をおびやかすような大きなストレスになるとしています。現在は、まさにデイリーハッスルの蓄積状態にあると考えられ、心身への影響が懸念されます。早めに生活を改善し、ストレス解消に取り組みましょう。
しかし、改善する気持ちすら起こらず落ち込む一方だったり、頭痛や食欲不振・不眠が続くなど、さまざまな不調をきたしている状態(「ストレスは、心と体に影響を及ぼす」参照)であれば、早めに心療内科や精神科などへの受診を検討しましょう。
起きる時間・寝る時間を変えない、3食きちんと食べることを欠かさずに
生活改善の第一歩は、その日の予定にかかわらず、毎日早寝早起きすること。起床・就寝時間が乱れると、睡眠サイクルが崩れて不眠や倦怠感につながったり、食生活が乱れたりして、さらなるストレスが生まれます。
その日の予定にかかわらず早起きを心がけ、起きたらすぐにカーテンを開けましょう。そして、簡単なものでも買ってきたものでもよいので、主食(炭水化物)・主菜(たんぱく質)のそろった朝食を取りましょう。朝の日光を浴びてきちんと朝食をとることが、脳に元気を与えてストレス解消に役立ち、生活リズムも整えてくれます。早起きを続ければ夜も自然と眠くなるので、無理に深夜まで起きていたりせず、早めに就寝しましょう。
なお、在宅勤務ではオンとオフの切り替えが難しく、集中できないという声も多く聞かれます。仕事を始める前には呼吸法や筋弛緩法でリラックスをする、仕事が終わったらヨガやストレッチで体をほぐすなど、始業前・終業後の「ルーティン」を設けるのがおすすめです。参考用外部リンクにて紹介している、監修者の解説付きの癒やしの音楽動画も活用してみてください。
表情筋を動かすとストレスが減少! 「笑う」「しゃべる」機会を作りましょう
表情を表すときに使う筋肉である「表情筋」を大きく使うことが、ストレス解消に役立つとされています。しかし、一日中パソコンと向き合って仕事をし、人と接するのはせいぜいオンライン会議……というような生活が続くと、表情筋の使用頻度が減ってしまいます。たまには友人や離れて住む家族と、通話やテレビ電話をして、表情筋をたっぷり動かしてみましょう。毎日というわけにはいかないでしょうから、テレビのバラエティー番組や面白い動画を見て笑うだけでも効果があります。
「以前と同じ」ようには生活できなくても、日々、このように自分のストレス解消に取り組んで、心の安定を保てるよう心がけましょう。