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「『1日3食とることが大切』といわれますが、朝は胃がムカムカして食べられません」

「『1日3食とることが大切』といわれますが、朝は胃がムカムカして食べられません」

Q.40代男性です。「1日3食とることが大切」ということはわかってはいるのですが、朝になると胃がムカついたり、胸がムカムカして、とても食べられません。

A.「朝食」は心身の健康的を維持するうえで、重要です。朝、胃がムカついて食べられないのは、前夜の遅い食事や、暴飲暴食が影響しているのではないでしょうか? そして暴飲暴食の原因もストレスと思われます。その悪循環を断ち切り、肥満やメタボ関連疾患を予防するためにも、夜の暴飲暴食をやめて朝はきちんと食べましょう。

胃のムカつきの原因は、前夜の暴飲暴食の可能性が高い

健康的な生活を送るうえで大切な要素のひとつに「食事」がありますが、なかでも生活リズムを整える役割をしてくれる「朝食」は特に重要です。

相談者さんは、「朝食をとると胃がムカつく」そうですが、おそらく、夜寝る直前に飲み過ぎ食べ過ぎをしているのではないでしょうか。

起きているときと違って、人は寝てしまうと胃の消化機能が低下します。寝る直前に食事をすると、消化しきれずに朝まで胃に残ってしまいます。それでも胃は何とか消化しようと胃液を出します。寝ている状態だと、胃液が食道のほうまで逆流しやすいため、食道と胃の付け根あたりに炎症がおこりやすくなります。これがいわゆる「逆流性食道炎」と呼ばれるもので、「胃のムカつき」の元凶となっています。胃のムカつきが続く人は、専門医への受診も検討しましょう。

夜の暴飲暴食による悪循環を断ち切れば、ストレスも軽減する

では、なぜ寝る直前に暴飲暴食をしてしまうかを考えてみましょう。ストレス解消のために、寝る直前にもかかわらず、つい食べてしまうのではないでしょうか。

相談者さんは、朝食をとらずに仕事をして、栄養不足から集中力が高まらずに、仕事の能率が悪くなってはいませんか? それが新たなストレスの温床となり、それを発散するために、夜になるとまた寝る前に暴飲暴食をしてしまう……そういった悪循環に陥っている可能性があります。

この悪循環は、やがて肥満、高血圧、動脈硬化、脂質異常症、糖尿病、さらにはがんなど、さまざまな重大疾患につながっていく危険性を持っています。これを断ち切って、健康的な食生活を取り戻すには、「夜の暴飲暴食をやめる」「朝は必ず食べる」の2つを徹底しましょう。始めのうちは慣れないかもしれませんが、すぐにストレスへの耐性が身につくことを実感できるはずです。

家族そろっての食事が、精神に安定感をもたらす

では、なぜ寝る直前に暴飲暴食をしてしまうかを考えてみましょう。ストレス解消のために、寝る直前にもかかわらず、つい食べてしまうのではないでしょうか。

また、家族のいる人は一緒に食卓を囲むことができれば、さらによいでしょう。みんなで食卓を囲むことは、大切な心の栄養になります。朝と夜の食事を、家族で囲めれば、「寝る前の暴飲暴食」は減っていくはずです。

精神面の安定感を維持し、ストレスのない毎日を送るためにも、ぜひ「食事のあり方」を見直してほしいと思います。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。