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「ストレスがたまると、つい食べ過ぎてしまいます。やめたいのですが、どうすればよいでしょうか?」

「ストレスがたまると、つい食べ過ぎてしまいます。やめたいのですが、どうすればよいでしょうか?」

Q.30代女性です。仕事の繁忙期などでストレスがたまると、菓子パンを食べ過ぎてしまったり、深夜にスナック菓子を食べたりしてしまいます。やめたいのにやめられず、そんな自分がいやになります。どうすればよいでしょうか?

A.「たまに」「適度に」ならよいのですが、いつも過食に走るのは健康を害することにもつながります。規則正しい生活を心がけ、食べること以外のストレス対処法を見つけましょう。

意図しない過食が続くと、生活習慣病や過食症など健康を害することも

食べることはストレスを解消するための一つの方法になります。緊張する仕事が一区切りしたときに甘いものを食べたり、大好物のものを食べると幸せな気持ちになります。昨今はコロナ禍の影響で、生活がこれまでとがらりと変わってしまい、出かけられない、趣味やスポーツが思うようにできない、友人や知人に会えないなど、新たなストレスを多くのみなさんが感じられたのではないでしょうか。

お菓子や食事をつい食べ過ぎてしまったりすることは、相談者さんだけでなく誰にでもあることです。ただ、食べたいという衝動が抑えきれなくなり、やめたいと思っているのに食べ過ぎてしまうと、生活習慣病や過食症などのリスクにつながってしまうなど、健康に害を及ぼすことがあります。また、逆にストレスが加わると食べられなくなってしまう人もいます。ストレス解消のための「食べる」あるいは「食べない」が、限度を超えてしまわないように注意したいものです。

食事は空腹を満たすだけのものではなく、豊かな生活を送るうえでの土台となるもの

ストレスが過度な生活では、食事も不規則になりがちです。すると、食生活の乱れがさらにストレスに拍車をかけるという悪循環に陥ってしまいます。食事は決して空腹を満たすことが目的ではなく、私たちが豊かな生活を送るうえでの土台となるものです。ぜひ、以下のように食事のあり方を見直してみてください。

  • 時間をとってゆっくり落ち着いて食べる
    仕事が忙しいと食事に気持ちを割く余裕も減ってしまいますが、パソコン作業をしながら、スマホを見ながら、といった「ながら食い」などではなく、きちんと時間をとって、落ち着いて食べるようにしましょう。食事に集中してゆっくり食べることで、暴飲暴食も避けられます。
  • 1日3食を決まった時刻にとる
    忙しいときなどは、1食抜きになったり、食事時間も不規則になったりしがちです。深夜に食べたり、長い時間食事をとらなかったりして、食生活が不規則になると、体調を崩すことにつながります。なるべく生活リズムを整えて、1日3食を決まった時刻にとるようにしましょう。
  • 栄養バランスのとれた食事内容になるよう気をつける
    ストレスに負けない健康な心身をキープするためにも、栄養バランスのとれた食事が大切です。過去の記事を参考に、無理なく、いろいろな食べ物から栄養をとるようにしましょう(「バランスのよい食事でストレスに強くなる」参照)。
  • リラックスして楽しく食事をする
    「食べる」ということは単に栄養をとるためだけのものではなく、緊張を和らげたり、気持ちを安定させたりして、ストレスを解消する働きがあります。例えば、いつもよりも少し高級な食材を選んだり、気の置けない友人との食事を楽しんだりするのもよいでしょう。

規則正しい生活を心がけるとともに、食事以外でのストレス対処法を見つけよう

食生活に注意するほか、自分に合ったストレス対処法を見つけて過ごすことも大切です。

  • 睡眠を十分にとる
  • 毎日軽い運動を実践する
  • 仕事から離れられる趣味の時間を持つ
  • 自然に親しむ、など

もしも、これだけでは対応しきれないほどのストレスを抱えてしまって、心身に不調を感じるようなときは、信頼できる人や専門医に相談することも必要です。さまざまな工夫を組み合わせながら、上手にストレスと付き合っていきましょう。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。