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「家事に育児に仕事に息つく間もなく、無気力になり、何もする気が起きません。」

「家事に育児に仕事に息つく間もなく、無気力になり、何もする気が起きません。」

Q.40代女性です。家事に育児に仕事に息つく間もなく、無気力になってしまいました。気分も落ち込み、何もする気になれません。どうしたらやる気が出るでしょうか?

A.何もしないでいると、「何もできない自分はダメだ」⇒「さらに落ち込む」という悪循環に陥りがちです。深呼吸をする、ポジティブな言葉を発するなど、ちょっとしたことでよいので、行動を起こしてみましょう。

規則正しい生活を目指して適度に休み、家庭も仕事も「ほどほど」を意識して

「今やらなければまずい」とわかっていても、やる気が起きないということは誰にでもあります。それは心や体が発する疲れのサインです。近ごろ残業が増えたりしていませんか? 体が疲れをため込むと、エネルギーが枯渇します。特に、相談者さんのようにワーキングマザーは「家事・育児・仕事」の両立と、無意識に自分を追い込みがちです。頑張りすぎる傾向があると自覚しているのであれば、家庭も仕事も「ほどほど」を意識してみましょう。

また、日々の生活パターンが不規則になると、体や心に影響が出てくることがあります。例えば、睡眠不足が続いてるときや十分に休養が取れないときは、日々の疲れをリセットしづらいもの。心身に不調を残したまま次の日を迎えれば、やる気を出すのには限界があります。食生活の乱れも、ベストな体調を保ちにくく、エネルギーが湧きにくくなります。やる気を出すには心だけでなく、時間を決めて適度に休み、バランスが整った食事をとるよう、規則正しい生活を目指すことが大切です。

何もしないでいると、さらに落ちこむことに……。何らかの行動を起こしてみよう

ストレスを発散する暇もほとんどない状態が続くと、「何もしたくない」という感情が膨れ上がってしまいます。しかし、感情に任せて何もしないでいると、「何もしない(できない)自分はダメだ」⇒「さらに落ち込んでしまう」というネガティブサイクルに陥ってしまいます。そういったときは、思い切って別の行動を起こしてみましょう。例えば、深呼吸をしたり、笑ってみるだけでも、副交感神経が活発になりリラックス感をもたらします。鏡に向かってポジティブな一言を発するなどもよいでしょう。「よし、今日も頑張ろう」「今日もいい日にするぞ」など、言語化して口から出すことで、感情に影響を及ぼすことができます。言葉と同時にほっぺたを軽くたたくなど、体のどこかを刺激するのもよいでしょう。自ら進んで行動を変化させて、意識的にポジティブサイクルに変えることで、やる気が起きないという状態も少しずつ改善されていくはずです。

やる気が起きないと悩む前に、自分の負担を減らせる対処法も探してみよう

なお、特定の物事に対してやる気が起きない場合は、取り組み方や対処法があっていない恐れがあります。例えば、ある仕事に対してのみやる気が起きないなら、仕事の進め方に問題があるのかもしれません。あるいは仕事そのものの負担が大きすぎるというケースもあります。一人で悩まずに思い切って上司に相談し、状況の改善を図りましょう。また、家事のなかでも掃除が苦手と感じる人は、家族に頼んだり、ロボット掃除機を導入したりすることで対応しやすくなります。どうしてもできないときは、「今は掃除に時間を割けない」と割り切ってしまうのも一つの手です。自分の負担を減らせる対処法はないか探してみましょう。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。