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「新入社員です。仕事がなかなか覚えられず、失敗続きで落ち込んでいます」

「新入社員です。仕事がなかなか覚えられず、失敗続きで落ち込んでいます」

Q.20代男性、新入社員です。入社して1カ月になりますが、仕事がなかなか覚えられず失敗続きで、この仕事は不向きなのではと悩んでいます。

A.仕事で失敗しない人はいません。新入社員なら、なおさら悩む必要はありません。失敗ではなく体験と受け取ることが肝要です。多くの体験を積んだ人がより多くの成功を収められます。

社会人1年目は下積み期間。失敗を恐れずチャレンジしよう

新年度がスタートして、約1カ月が経過しました。ゴールデンウィークも終わり、何となく気分が晴れないという人もいるかもしれません。

相談者さんは、新入社員としてスタートしたけれど、仕事の失敗が続き、次第に気持ちが落ち込んで自信がなくなってきたようです。しかし、社会人1年目はあくまで下積み期間。社会人としてのマナーや仕事の基礎を身につけるための時期です。上司も新入社員のミスには寛大で、たとえミスをしてもしっかりカバーして責任を取ってくれます。自分自身が上司になれば自分で責任を取らなければなりませんが、社会人1年目の間は周囲がバックアップしてくれる環境のはずです。

そのため、失敗を恐れずなんでもチャレンジして、失敗してもそこから多くを学び取り、成長していく姿勢が求められます。失敗すると落ち込んでしまいがちですが、「新入社員なのだから仕方がない、この学びを次につなげよう」という前向きな気持ちで乗り越えましょう。

メモを取り同じ失敗は繰り返さないこと。報・連・相を身につけよう

しかし、一度おかしたミスはきちんと分析し、二度と繰り返さないようにする努力が必要です。基本的なことですが、わからないことがあればその都度質問し、メモを取ること。一度教わったことを何度も繰り返し尋ねないようにメモを取り、いつでも復習できるようにしましょう。その積み重ねが成長につながります。

また、社会人になると耳にする「ホウレンソウ(報告・連絡・相談)」という言葉。これは、新社会人にとっては特に重要で、仕事をスムーズに進めるためには欠かせないものです。「報告」とは仕事の途中経過を上司に伝えること、「連絡」とは必要な事実を関係者に伝えること、「相談」は判断に迷ったら意見を仰ぐことを意味します。職種によって多少の差こそあれ、基本的に仕事はチームプレイです。社員が連携してこそ、いい商品やサービスを提供できるようになります。ぜひ、社会人1年目は「報・連・相」を徹底して身につけるようにしましょう。

プライベートの充実が、仕事のモチベーションアップにもつながる

新入社員は覚えることが多く、常に仕事のことを考えてしまいがちです。しかし、それではストレスがたまってしまい、仕事がつらくなってしまうかもしれません。ストレスを発散させて、仕事のモチベーションを高めるためには、十分な休息とプライベートの充実が重要になります。

また、仕事とは関係ない趣味であっても、そこで得た知識や考え方、向き合い方が仕事に生きてくることもあります。心から楽しめる趣味を見つけたり、友人と遊んだりと、プライベートを充実させることも意識すると、人生がより豊かで彩りのあるものになります。

新社会人は仕事やマナー、新生活など、学んだり身につけたりしなければならないことがたくさんあり、不安がつきまといます。しかし、それを乗り越えることが未来の大きな成長につながるのです。ストレスをため込み過ぎず、新人ならではの前向きな一生懸命さで、積極的に何でも吸収しましょう。

ただし、どうしても落ち込みから抜け出せない、やる気が出ない、眠れない、といった状態が続くときは、カウンセリングや相談窓口を利用したり、心療内科や精神科への受診を検討しましょう。外部用参考リンクに示している「こころの耳」サイトには、各種相談窓口のほか、メール相談および電話相談を案内しています。一人で悩まず、これらを利用することも問題解決の糸口になります。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。