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「定年後、再雇用者として働く予定ですが仕事にやりがいを感じられるかと悩んでいます」

「定年後、再雇用者として働く予定ですが仕事にやりがいを感じられるかと悩んでいます」

Q.50代男性です。定年後も再雇用で働くことを考えていますが、これまでのポジションを失い、仕事にやりがいを感じられるかと悩んでいます。

A.再雇用者として働く際は、役職へのこだわりを持たず、仕事そのものに喜びを見い出すことが大切です。それを周りの人と共有し、培ってきた経験やスキルを若手に継承し、育成しようという気持ちで働くことを考えてみましょう。

再雇用を選んだ場合、気持ちの切り替えが必要

再雇用者の処遇は、各企業が採用する再雇用制度によってさまざまです。ほとんどの企業では給料は大幅な減額となり、役職はつかなくなるか、ついたとしても現役のときと比べると低くなるのが一般的です。

このような状況の中で、定年をもって引退する人もいれば、再雇用の道を選ぶ人もいます。組織の中である程度のポジションにいた人が、定年を機に嘱託社員としての立場で働くことになれば、プライドの高い人にとっては、精神的につらく感じるのも理解できます。

しかし、企業の側にも事情があり、残念ですがこうした処遇も致し方ありません。これまで自分の部下だった人が上司となり、その指示を受けることもあります。会社に与えられた立場で、自分の気持ちをどう整理して再雇用者として働くかが重要となってきます。気持ちの切り替えが必要です。

仕事そのものに喜びを見い出し、技能を継承しようという気持ちが大事

では、上位の役職についていた人がこのように、企業で再雇用者として仕事を続けていくには、どのような働き方が必要となるのでしょうか。それは、役職へのこだわりを持たずに働くことです。

長年、出世志向で働いてきた人が、定年で上位の役職を失った後、再雇用者としてこのような働き方に切り替えるのは少々抵抗があるかもしれません。しかし、役職は自分自身の価値を表すものではありません。相談者さんも、今後も会社で働き続けたいのであれば、若手社員に対して自分の価値観を押し付けず、異なる意見や仕事の仕方を柔軟に受け入れる姿勢を持ちましょう。そうした姿勢を持つことができれば、周囲との関係が良好になるだけではなく、広い年齢層のコミュニケーションが盛んになり、よりよい仕事のやり方やアイデアが生まれてくるかもしれません。

再雇用者として価値のある働き方は、役職へのこだわりを持たず、仕事そのものに喜びを見い出すこと。そして、自分の培ってきた経験やスキルを若手に継承し、育成しようという気持ちを持って働くことではないでしょうか。そういった気持ちを持てれば、再雇用者の仕事にも大きな意味が出てくるはずです。

定年後のセカンドライフに向けて、趣味などを見つけよう

また、仕事だけにやりがいを求めず、現役時代よりもプライベートな時間が増える定年後だからこそ、今まで取り組むことができなかった趣味など、充実したセカンドライフの過ごし方を考えてみるのもよいでしょう。これまで趣味といったものがなかった人も、さまざまなことに触れ、経験して、やりたいと思えることを見つけてみてください。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。