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「ウマが合わず扱いにくい部下に、ストレスを感じています」

「ウマが合わず扱いにくい部下に、ストレスを感じています」

Q.40代男性です。話がかみ合わなかったり、業務を命じても素直に受けてくれなかったり、どうもウマが合わないと感じる部下がいて、日々ストレスを感じています。このような部下とは、どうしたらうまく付き合っていくことができるのでしょうか?

A.ウマが合わないという先入観を捨て、ニュートラルな視点で相手とかかわっていきましょう。一度時間をとって、部下の仕事への思いなどを話し合ってみるのもよいでしょう。その際には、相手の話に耳を傾け、共感してみることが、よりよいコミュニケーションにつながります。

ニュートラルな視点で、相手とのかかわり方をプラスの方向に変える

自分の部下とうまくコミュニケーションをとりながら仕事がしたい、そう考えるのは上司として当然のことだと思います。しかし、相談者さんのケースのように、話がかみ合わなかったり、指示に素直に従わずウマが合わないと感じる部下がいることもあるでしょう。

人間には感情があるので、どのような組織・集団においても、人に対する「合う・合わない」はあります。また、私たちは苦手な感じがする相手と好きな相手とでは、無意識に態度を変えて接してしまいがちです。とりわけ、ウマが合わないと感じている相手に対しては、知らず知らずのうちにぞんざいな態度をとっていることが多々あります。

ウマが合わないという印象を持つと、苦手意識が生まれ、それを相手に気づかれないよう、ますますコミュニケーションが減ってしまうのです。それがいつしか相手にも伝わり、さらに意思疎通がとれない悪循環となりがちです。

こういった状況打破のポイントは、自分のマイナスの感情を受け入れ、ニュートラルな視点で相手に興味と関心を持って対応することです。人に対する好き・嫌いは、思い込みや自身が作り上げた先入観である場合もあります。相談者さんが、プラスの感情を持ったコミュニケーションをとり続けることで、部下との関係によい変化が生まれてくることをめざしたいものです。

部下の真意は何か話し合い、共感してみよう

また、会社はビジネスの場であって、仲間と楽しい話をするための場所ではありません。そこはある程度割り切る必要があります。仕事をしている場では、誰しもが与えられている役割を演じていると考えてみるのも1つの手です。相談者さんも舞台上の役者のように、会社での役割を演じていることを意識し直してみれば、ウマの合わない部下に対しても分け隔てなく接することができるようになるかもしれません。

上司でも部下でも、お互いに人の心の中を理解するのは難しいものです。自分にとってよかれと思っていたことが、相手にとっては迷惑だったということは、日常生活でよくあります。だからこそ、自分の仕事のやり方だけが正しいと思ったり、押しつけるのではなく、独りよがりになっていないかを確認することも大切です。

一度、部下と話し合う時間をとってみるのもよいでしょう。仕事に対する思いや希望についてなど、互いに思っていることを伝え合う機会がもてれば、部下から新しい見方を教えてもらえるかもしれません。その際には、自分とは異なると感じる意見でも否定せずに受け入れ、共感してみることがコミュニケーションをとるうえで重要です。そうした相談者さんの努力が、よりよい職場環境を作り上げていくことにつながります。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。