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「仕事でミスを繰り返すたびに落ち込み、毎日つらいです」

「仕事でミスを繰り返すたびに落ち込み、毎日つらいです」

Q.30代男性です。仕事でミスをするたびに落ち込むのですが、ミスを繰り返してしまいます。職場の人に申し訳ない気持ちで、毎日仕事に行くのがつらいです。

A.心を落ち着かせて、ミスを繰り返さないための対策を考えることが大切。ミスをするのは悪いことではなく、そこから学べるよい機会だという捉え方もできます。マイナス面に感じることをポジティブに捉え直し、自分をいたわってあげましょう。

焦りや緊張感からくるミスには、深い呼吸を意識して落ち着いて

相談者さんのつらい胸の内お察しします。ミスに至るまでに焦りや緊張はありませんでしたか。「急がなければ」「ミスは許されない」といった具合に、周りからのプレッシャーをそのまま自分自身にもかけ続けていないでしょうか。焦れば焦るほど、冷静な判断力が鈍ったり、普段ならしないようなミスを連発してしまうことは誰にでもあります。そういったとき、呼吸が非常に浅くなっている場合が多いので、深い呼吸を意識して落ち着きを取り戻しましょう。

それでも焦りや緊張が続くようであれば、相談者さんに仕事が集中しすぎていたり、キャパシティーを超えている可能性もあります。一度、信頼できる職場の上司に相談してみるとよいでしょう。

ミスを繰り返さないための対策を考えよう

ミスには、「会社の信用が失われる」、「クライアントに損害を与えてしまう」、「やり直しに膨大な時間とコストがかかる」といった重大なミスもあれば、「まったく、そそっかしいなぁ」と笑って済ませられるミスもあります。会社側が組織として対策を取っていないとするならば、それは相談者さんが思っているほど重大なミスではないのかもしれません。

とはいえ、ミスを減らすための努力は必要ですので、対策を考えてみましょう。例えば、絶対にミスが起きては困ることについては、何重にもチェックの仕組みをつくります。コンピューターや機械でチェックし、その後さらに人の目で再度チェックします。機械化できないようなことは、作業した本人がチェックした後、別の人にもう一度チェックしてもらうなどの方法でミスの芽をつぶしていくのです。

チェック表を作り、1つ1つ工程を確認することも効果的です。自分の作業を確認するときには少し時間をおいてから行うと、新鮮な目で見られるようになり、ミスを発見する確率が上がります。

また、仕事の優先順位を見極めて、大事なところは緊張感を持って行い、力を抜けるところは抜くといった緩急をつけるのも仕事をするうえで大切なテクニックです。

ミスをするのは悪いことではなく、学べる機会という捉え方も

「失敗は成功の母」という言葉があるように、ミスをするのは決して悪いことばかりではなく、そこから学ぶことができるよい機会だという考え方もあります。ミスに毎回きちんと対処していけば、そのたびにレベルアップできるという捉え方もできます。このように、自分の短所や思い込み、考え方の枠組み(フレーム)をはずし、別の方向から捉え直すことを、心理学の言葉で「リフレーミング」といいます。

マイナスに感じることをポジティブに捉え直し、少しだけ自分をいたわるような気持ちで見つめてあげましょう。自分を責めて落ち込む必要はありません。自分を受け入れ、自分に優しくなりましょう。

山本 晴義 先生

監修者 山本 晴義 先生 (医学博士 横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長
神奈川産業保健総合支援センター相談員 埼玉学園大学大学院客員教授)
1972年東北大学医学部卒業、1991年横浜労災病院心療内科部長、2001年より横浜労災病院勤労者メンタルヘルスセンター長。日本心療内科学会監事・専門医、日本産業ストレス学会理事、日本産業精神保健学会評議員、日本心身医学会評議員、日本職業災害医学会評議員。厚生労働省ポータルサイト「こころの耳」委員。著書は『ストレス一日決算主義』(NHK出版)、『初任者・職場管理者のためのメンタルヘルス対策の本』(労務行政)、『ビジネスマンの心の病気がわかる本』(講談社)、『ストレス教室』『働く人のメンタルヘルス教室』『メンタルサポート教室』(新興医学出版社)、『ドクター山本のメール相談事例集』(労働調査会)、『図解 やさしくわかる うつ病からの職場復帰』(ナツメ社)など多数。また、DVD『Dr.山本晴義の実戦!心療内科』(全2巻、ケアネット)、『元気な職場をつくるメンタルヘルス』(全12巻、アスパクリエイト)、CD『予防のための音楽「うつ」』(デラ)なども監修している。