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大腸がんは、肉のとりすぎだけでなく、飲みすぎや肥満もリスクに

大腸がんは、肉のとりすぎだけでなく、飲みすぎや肥満もリスクに

運動により大腸がんのリスクは「確実に」下がる

また、肥満の人や運動不足の人も、大腸がんのリスクが高くなることが確実とされていて、なかでも男性の結腸がんのリスクが高まるといわれています。

国際的評価においては、身体活動量が多いほど、大腸がんのリスクが下がるのは「確実」とされているので、体を積極的に動かすようにしましょう。

とはいえ、特別ハードな運動をする必要はなく、まずは日常生活の中で意識的に体を動かすことから始めましょう。通勤や買い物の際に少し遠回りをしたり、家事をするときには体を大きく動かしたり、といったことでも活動量がアップします。慣れてきたら、1日の合計で8000~1万歩ほど歩き、週に一度は60分程度の早歩きや30分程度のランニングなどを加えられれば理想です。運動を習慣にすれば、肥満の予防や解消にもつながり、大腸がんのリスクをより低くすることができます。

定期検診で早期発見に努めることが賢明

大腸がんは、たとえなってしまったとしても、手術で確実に切除できれば治る確率が高いがんです。早期発見のためには、大腸がん検診(一般的に実施されている「便潜血検査」)を定期的に受けることが重要です。 

便潜血検査は、簡単ながら非常に有効性の高い検査です。欧米で実施された、検査を受けるか受けないかをランダムに割り付けて大腸がんの死亡率を比較する4つの臨床試験からは、検査を受けると死亡率が約16%低下することが証明されています。

40歳を過ぎたら、年1回は大腸がん検診を受け、もしも異常が疑われた場合は、必ず精密検査を受けてください。

特に、親やきょうだいといった直系の家族に大腸がんの人がいるなど、家族歴がある人は大腸がんのリスクが高くなるとされているので、注意が必要です。

津金 昌一郎 先生

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。