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禁煙と検診受診で子宮頸がん対策。40歳代以降は子宮体がんにも注意

乳がんの予防には、たばこを避け、適度な運動と大豆製品の摂取を

子宮体がんは女性ホルモンが影響する場合も。適度な運動が有効

一方、子宮体がんは、女性ホルモンの一種であるエストロゲンによって増殖するタイプと、エストロゲンに関係なく発生するタイプとがあります。確立したリスク要因としては、閉経年齢が遅い、出産経験がない、肥満、エストロゲン分泌性腫瘍などが挙げられます。また、乳がんの治療でホルモン療法薬のタモキシフェンを使用していたり、更年期障害の治療でエストロゲン製剤を単独で使用している場合も、子宮体がんのリスクが高くなるといわれています。そのほか、糖尿病、高血圧、乳がん、大腸がんの家族歴もリスク要因とされています。

子宮体がんは、比較的初期の段階から不正出血やおりものの異常、下腹部の痛みといった症状がみられるのが特徴です。特に閉経後、少量の出血が長く続く場合は、早めに婦人科を受診して、きちんと検査を受けることが大切です。

一般に、自治体や職場での「子宮がん検診」で行われているのは、子宮頸がんの検査であり、子宮体がんの検査は含まれていません。リスクの高まる40代以降は、検診の際、追加で子宮体がんの検査も行うかどうか、医師に相談するとよいでしょう。

また、身体活動を上げること、つまり適度な運動をすることは、子宮体がんのリスクを下げることが「ほぼ確実」とされています。肥満が子宮体がんの確実なリスク要因となることからも、運動習慣を身につけて肥満を解消することで、予防効果が期待できます。自分の生活の中で無理のない方法で、できるだけ身体活動量を増やすことを心がけるようにしましょう。

最近の話題としては、コーヒーの飲用も子宮体がんのリスクを下げることが「ほぼ確実」と判定されていますが、そのために無理に飲むことはおすすめしません。

津金 昌一郎 先生

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。