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膵臓がん、腎細胞がんの確実なリスクは喫煙と肥満

膵臓がん、腎細胞がんの確実なリスクは喫煙と肥満

膵臓がん、腎細胞がんともに喫煙と肥満が確実なリスク要因

膵臓がんは、発生率が低いことなどで研究が限られており、原因がまだ明らかになっていません。しかし、喫煙と肥満が確実なリスク要因であることだけはわかっています(ただし、肥満は、日本人においてははっきりしていません)。ほかに、成人期の高身長、20歳までの高BMIといった若年期の高成長もリスク因子と考えられています。また、糖尿病、過剰飲酒による慢性膵炎が、リスクを高めるという報告もあります。

腎細胞がんについても、喫煙と肥満は確立したリスク要因です。それ以外では、高血圧、降圧薬の服用、利尿薬の服用(特に女性の場合)などがリスク要因の候補として挙げられています。

また、職場での化学物質への暴露、長期にわたる人工透析などもリスク要因として指摘されています。さらに、フォン・ヒッペル・リンドウ病、結節性硬化症、多発性嚢胞腎(のうほうじん)といった遺伝性の病気があると発生しやすくなります。

禁煙&減量が確実な予防法

膵臓がん、腎細胞がんともに、喫煙者はまず禁煙し、肥満者は減量することが、確実に予防につながります。

膵臓がんは早期発見が難しいだけに、わずかな異変も見逃さないことが重要です。胃のあたりの不快感や腹痛、背部痛が続いているのに胃腸に異常が見つからない場合や、黄疸(おうだん)、糖尿病の悪化(血糖値の急上昇)などが見られたら、医療機関で検査を受けるようにしましょう。

腎細胞がんも、初期の段階では特徴的な症状がほとんど見られませんが、血尿などがあれば医療機関を受診しましょう。

津金 昌一郎 先生

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。