がん予防のカギは禁煙、節酒、食生活、身体活動、適正体重
太りすぎだけでなく、やせすぎにも注意
そして、日常的に積極的に身体を動かすことも大切です。運動量とがん発生リスクとの関連を調べた研究では、男女ともに身体活動量が多い人ほど、がんにかかるリスクが低くなることがわかりました。部位別でみると、男性では結腸がん、肝がん、膵がん、女性では胃がんのリスクが低下しました。
また、肥満も食道腺がん(日本人には少ない)、乳がん(特に閉経後の女性)、大腸がん、子宮体がんなどとの関連が指摘されています。一方で、やせすぎもがんのリスクを高めることがわかっています。特に、若いころやせていた女性は、将来、乳がんの発生リスクが高くなるというデータが複数報告されています。また、日本の7つのコホート研究約35万人のデータでは、男女共にBMI(体格指数、体重kg÷身長m÷身長m)が30を超えると1.3倍がん死亡リスクが高くなる一方、男性ではBMI21未満、女性では19未満のやせている人のがんの死亡リスクが高くなっていました。
では、どれくらいの体形が適正かというと、総死亡リスクを上げない観点も含めると、40歳以上の中高年にとっては、男性は21~27、女性は21~25の範囲になるように体重を調整するのがよいようです。
生活習慣に潜むリスクがわかる『がんリスクチェック』
さて、一年にわたりがん予防についてお話してきましたが、「今のままの生活を続けていても大丈夫?」「具体的に、今の生活習慣をどう変えたらいいの?」といった疑問を感じる方もいるでしょう。そんなときに役立つのが、「がんリスクチェック」です。
これは、国立がん研究センター社会と健康研究センターがまとめたコンテンツで、自分に当てはまる項目をチェックすることで、生活習慣改善のポイントをアドバイスしてくれるものです。ぜひ、ご自身やご家族の健康づくりのために活用してみてください。