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ストレスによって、がんになることはある?

ストレスによって、がんになることはある?

支えてくれる存在が多い人は、少ない人よりもがんの発生や死亡リスクが低い

また、欧米の研究では、家族や友人、同僚などの「社会的な支え」が少ない人では、乳がんの発生や死亡リスクが高くなっています。一方、同様の日本の研究では、社会的な支えが少ない人は、男性の場合、大腸がんの発生や死亡リスクが高くなることを示すデータもあります(「『社会的な支え』と、がんの発生・死亡リスクとの関連」参照)。

周囲の家族、友人、同僚などの存在が多いと、がん検診受診や診断後の治療についてアドバイスされる機会が多かったり、より健康的なライフスタイルを選ぶことが多く、やはり早期発見・早期診断につながっていると考えられます。

がんは誰にでも発生する可能性があるものとして問題意識をもち、情報収集に努めたり、周囲の人と相談したりして、必要な検診や精密検査受診を先送りしないようにしましょう。

津金 昌一郎

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。