乳がんや前立腺がんの予防には、イソフラボンをたくさんとればよい?
サプリメントによるとり過ぎは要注意
世界的に実施された疫学調査でも、イソフラボン摂取量の多い地域ほど乳がんおよび前立腺がんの罹患率や死亡率が低いと報告されています。また、大豆や大豆製品の摂取量の多いアジアで行われた疫学研究においては、イソフラボン摂取量の多いグループのほうが、少ないグループと比べて、乳がんや前立腺がんのリスクが低下するという報告が複数あります。一方で、ほとんど食べない欧米での研究では、リスクの低下を示す研究はほとんどありません。このことからも、アジアで食事を通して摂取しているイソフラボンには乳がんや限局性前立腺がんの予防効果が期待できます。ただし、どれくらい摂取するのがよいかは現時点でははっきりしておらず、イソフラボンをとり過ぎてしまうと悪影響が起こる危険もあります。
ふだんの食生活の中で、大豆や大豆製品から適量をとるようにし、サプリメントなどで過剰にとり過ぎないよう十分注意してください。食品安全委員会では、1日に摂取する目安量の上限値を以下のように定めています。この数値を参考に、くれぐれも過剰摂取には気をつけましょう。
●イソフラボンの安全な一日摂取目安量の上限値(食品安全委員会「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」、2006年による)
大豆食品から摂取する…70~75mg/日
特定保健用食品から上乗せして摂取する…30mg/日
※数値は大豆イソフラボンアグリコン換算