肉や加工肉はできるだけ食べないほうが、がんになりにくい?
牛・豚・羊肉は1日90g以内の範囲で適量を。加工肉はとりすぎに注意
また、日本人を対象に、食事パターンと死亡リスクとの関連を調べた多目的コホート研究でも、興味深い結果がみられました。これによると、野菜やきのこ・海藻類などを多くとる「健康型」食事パターンだけでなく、肉類・加工肉のほか、パン、果物ジュース、コーヒー、ソフトドリンク、マヨネーズ、乳製品などを多くとる「欧米型」食事パターンにおいても、そのスコアが高いほど全死亡、がん死亡、循環器疾患死亡のリスクの低下がみられました。
欧米型の食事パターンにより、肉類の摂取量が適量に近づいたこと、関連するほかの食品(コーヒー、牛乳・乳製品など)の好影響、塩分摂取量の減少などが全死亡、循環器疾患死亡のリスク低下につながったと考えられます。ただし、がん死亡のリスクに関しては、がんの部位によって関連する食物の因子が異なるため、さらなる研究が必要とされています(JPHC Study「食事パターンと大腸がんリスクとの関連について」参照)。
これらのことから、赤肉は1日平均で90gを超えない範囲で、適量をとるようにするとよいでしょう。また、加工肉に関しては塩分も高いので、高血圧を予防するためにも、とりすぎないように注意しましょう。