がんを防ぎ、健康的に過ごすための1日の飲酒量
男女ともに40歳代は適量を超えている人が多い
まったく飲まないグループから過去に飲んでいた人を除いてリスクを再計算するなど、研究結果を総合的に考えると、日本人にとって死亡リスクが高くならない飲酒量は、エタノール換算で男性では1日あたり46gまで、女性では23gまでとなります。お酒の種類別に、およそ23gの具体的な量を以下に示しましたので、参考にしてください。
●エタノール換算で23gとなる飲酒量
日本酒:1合(180mL)
ビール:大びん1本(633mL)
ワイン:グラス2杯(240mL)
焼酎、泡盛:2/3合(120mL)
ウイスキー、ブランデー:ダブル1杯(60mL)
なお、生活習慣病全般を防ぐ適正な飲酒量もおおむね同様です。厚生労働省が発表した「平成29年『国民健康・栄養調査』の結果」によると、「生活習慣病のリスクを高める量(1日当たりエタノール換算で男性40g以上、女性20g以上)を飲酒している人の割合」がもっとも高かったのは男女ともに40歳代で、男性21.4%、女性15.2%となっていました。働き盛りであるこの世代は仕事上のつきあいが多いことも、飲酒量の増加につながっていると考えられます。
日本人を対象とした複数の研究から、飲酒が肝臓がん、大腸がん、食道がんの発生リスクを上げるのは確実とされています。いつまでも健康な状態でお酒を楽しむためにも、くれぐれも飲みすぎには注意し、適量を守りましょう。つきあいの席などでたくさん飲んでしまった場合は、翌日以降に休肝日を設けるなどして、1週間単位で調整することも重要です。