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男性はBMI21~27、女性はBMI21~25─中高年期の適正体重

男性はBMI21~27、女性はBMI21~25─中高年期の適正体重

体重コントロールは食事だけに頼らず、運動も取り入れて

厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015年版」では、目標とするBMIの範囲を、18~49歳までは18.5~24.9、50~69歳で20.0~24.9、70歳以上で21.5~24.9としています。ただし、日本の7つのコホート研究のプール解析では、中高年期のがん死亡リスクが低い範囲は男性21.0~27.0、女性19.0~25.0でした。その理由としては、肥満だけでなく、やせすぎでもがんのリスクが高まることが報告されているためです。特に男性の場合、BMI21未満だとがん全体の発生リスクが高くなるという報告があります。また、閉経後の女性では、BMI25以上で乳がんのリスクが高くなります。そのため、上限の目安が男性よりも低めに設定されています。一方、先のプール解析では、女性のBMI19.0~21.0で総死亡リスクが高くなっていたために、下限の目安は男性と同様に21.0に設定されています。

このように、肥満もやせすぎもがんのリスクを高めるため、適正体重を維持することが大切です。そこで気をつけなければならないのが、極端に食事を減らしすぎないということです。中高年期に必要以上に食事を減らしてしまうと、体力維持に必要なエネルギーや栄養が十分にとれず、疲れやすくなったり、免疫力が落ちてしまったり、といった弊害がおこる恐れがあります。

体重を落とす場合には、食事を減らすことだけに頼らず、適度な運動も取り入れて無理なく減量することが大切です。日常的に体をよく動かす人ほど、がんのリスクが低くなることもわかっています。以下のサイトを参考に、適度な運動を習慣にして(「がん予防には『1日60分の歩行か身体活動』+『週に60分の運動』を」参照)、上手に体重をコントロールしましょう。

津金 昌一郎

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。