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コーヒーとがんリスク低下との関連

コーヒーとがんリスク低下との関連

コーヒーは、日本人のがんリスク評価において、肝臓がんリスク低下が「ほぼ確実」、子宮体がんは「可能性あり」とされています。また、女性では、1日3杯以上コーヒーを飲むグループで結腸がんのリスクが20%低下していました。とはいうものの、コーヒーの飲み過ぎはカフェインの過剰摂取につながるので、適量を楽しむことが大切です。

コーヒーは肝臓がんリスク低下が「ほぼ確実」、子宮体がんは「可能性あり」

国立がん研究センター社会と健康研究センターでは、日本人を対象に、さまざまな生活習慣や食事要因とがんとの関連を調べる研究を行い、「科学的根拠に基づくがんリスク評価」を発表しています。

このなかで、食事要因については、ほとんどの食品や栄養素において「データ不十分」との評価が並んでいますが、ごく一部の食品でがんとの関連が示されています。そのうちの1つがコーヒーです。コーヒー飲用が、肝臓がんのリスク低下につながることは「ほぼ確実」、子宮体がんも「可能性あり」と評価されています。

なお、国際的にも、コーヒーは肝臓と子宮体がんのリスク低下におそらくつながるであろうと評価されています(WCRF/AICR:世界がん研究基金/米国がん研究協会「食事とがん-非アルコール飲料」)。

コーヒーをよく飲む女性は結腸がんのリスクが低下

また、コーヒーと大腸がんとの関連については以前から注目されてはいるものの、これまでの解析では明らかな関連は認められていませんでした。そこで、同センターでは、日本の8つの大規模コホート研究*1を統合したプール解析*2を行い、コーヒー飲用と大腸がんリスクとの関連を調べました(JPHC Study「日本人におけるコーヒー飲用と大腸がんリスク」)。

食習慣についてのアンケート調査結果をもとに、コーヒー摂取量を「1日1杯未満」「1日1~2杯」「1日3杯以上」の3つのグループに分け、大腸がん全体および大腸の各部位のがん(結腸がん、直腸がん、近位結腸がん、遠位結腸がん)との関連を分析しました。その結果、男性ではいずれにおいても、コーヒー飲用とのはっきりとした関連はみられませんでした。

一方、女性では、大腸がん全体や直腸がんでは明らかな関連はみられなかったものの、結腸がんにおいては、コーヒー摂取量が「1日1杯未満」のグループに比べて、「1日3杯以上」のグループではリスクが20%低下していました。

*1 多目的コホート研究…数万人以上の特定集団を対象に、まず生活習慣などの調査を行い、その後何年も継続的な追跡調査を行うもの

*2 プール解析…複数の研究データを、あらかじめ定めた共通のルールにのっとって解析するもの

津金 昌一郎

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。