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コーヒーとがんリスク低下との関連

コーヒーとがんリスク低下との関連

コーヒーにはさまざまな作用があるが、カフェインのとり過ぎに要注意

なぜ、コーヒーを飲む習慣によって、結腸がんのリスクが低下するのでしょうか。まず、コーヒーに含まれる物質には、発がん促進作用のある腸内の胆汁酸を抑制するほか、体内の炎症やインスリンの過剰な分泌を抑える働きがあります。また、腸の運動を活発にして、腸内環境をととのえる働きもあります。さらに、コーヒーには抗酸化作用のあるポリフェノールやビタミンE、マグネシウム、カリウムなどのミネラルが含まれるため、これらが結腸がんのリスク低下に役立っている可能性も考えられます。

一方で、コーヒーに含まれるカフェインには、利尿作用や覚醒作用や胃酸の分泌を促す作用があるほか、血圧を上昇させる作用もあるとされています。そのため、コーヒーを飲み過ぎると、トイレが近くなったり、夜寝つけなくなったりするほか、胃もたれ、吐き気、肌荒れ、頭痛、疲れやすいなどの症状が現れる可能性があります。

いくらがん予防の効果があるとはいえ、飲み過ぎには注意し、適量を楽しむようにしましょう。
また、コーヒーを飲む習慣がない人が無理して飲むことはおすすめしません。

津金 昌一郎

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。