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高温調理でできる「アクリルアミド」とがんリスクとの関連

高温調理でできる「アクリルアミド」とがんリスクとの関連

揚げ物のとりすぎ、必要以上の高温加熱には要注意

アクリルアミドの摂取とがん罹患との関連はみられなかったものの、わが国の食品安全委員会は2016年に、「できる限りアクリルアミドの低減に努める必要がある」と評価しています(食品安全委員会「評価書 加熱時に生じるアクリルアミド」2016年4月)。

アクリルアミドはジャガイモを揚げたスナックや料理(ポテトチップス、フライドポテトなど)、穀類を原材料とする焼き菓子(ビスケット、クッキーなど)、高温で焙煎した食品(コーヒー豆、ほうじ茶葉、煎り麦など)などに、高い濃度で含まれていることが報告されています。また、野菜の素揚げや炒め物、トーストしたパンなどにも含まれているとされています。

このように、アクリルアミドは、従来から行われてきた高温加熱の調理方法によって生成され、私たちは古くから食品とともに摂取してきたと考えられます。そのため、これまでの食生活を大きく変える必要はありませんが、次の3つのポイントを心がけるようにするとよいでしょう。

  1. 十分な果実、野菜を含む様々な食品をバランスよく取り、揚げ物や脂肪が多い食品の過度な摂取を控える
  2. 炭水化物の多い食品を焼いたり、揚げたりする場合には必要以上に長時間、高温で加熱しない
  3. 生のジャガイモを低温で保存するとデンプンの一部が糖へと変化するため、冷蔵庫に保存した生のジャガイモは、揚げ物などの高温加熱を避ける

(食品安全委員会「加工食品中のアクリルアミドについて」より)

また、食品以外の身近なものとして、たばこの煙にもアクリルアミドが含まれていることがわかっています。喫煙者は少しでも早く禁煙し、たばこを吸わない人も受動喫煙には十分に注意しましょう。

津金 昌一郎

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。