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体格はがんリスクにどう影響する?

体格はがんリスクにどう影響する?

大切なのは適正体重の維持。中高年期はやせすぎにも注意

身長は自分の力で変えることはできません。そのため、身長が高い人も低い人も、自分にとっての適正体重を維持することが大切です。国立がん研究センターによる、日本人を対象とした研究結果から定めた科学的根拠に基づく「日本人のためのがん予防法」では、中高年期は男性でBMI 21~27、女性では21~25の範囲内に収まるような体重管理が推奨されています。

日本では近年、加齢に低栄養や筋力不足が合わさって起こるフレイル(心身の虚弱状態)が問題視されています。欧米に比べて肥満者の少ない日本人の中高年には、肥満対策よりもやせ対策のほうが、がん予防も含めた健康寿命延伸に必要となります。

体重管理というと食事ばかりに目を向けがちですが、運動不足もがんリスク、フレイルリスクにつながるということを忘れてはいけません。バランスのよい食事を心掛けるとともに、運動習慣も身につけて、適正体重を維持するようにしましょう。

津金 昌一郎

監修者 津金 昌一郎 先生 国立がん研究センター 社会と健康研究センター長
1981年慶應義塾大学医学部卒、85年同大学大学院修了。86年より国立がんセンター研究所入所。臨床疫学研究部長などを経て、2003年に同センターがん予防・検診研究センター予防研究部長に就任。その間に米国ハーバード公衆衛生大学院客員研究員を務める。2010年に国立がんセンターの独立行政法人への移行に伴い、国立がん研究センター予防研究部長に就任。2013年から現職。1990年にスタートした国立がん研究センターがん研究開発費による研究班(2009年度までは、厚生労働省がん研究助成金による研究班)による大規模疫学研究である多目的コホート研究の主任研究者を務める。2010年朝日がん大賞、2014年高松宮妃癌研究基金学術賞などを受賞。一般向けの主な書著に『科学的根拠にもとづく最新がん予防法』『がんになる人ならない人』『ボリビアにおける日本人移住者の環境と健康』『なぜ、「がん」になるのか?その予防法教えます。』『食べものとがん~がんを遠ざける食生活~』などがある。昭和大学、山形大学客員教授、日本疫学会理事、日本癌学会評議員などを兼務。